新宿~小田原を60分で結ぶ
1957(昭和32)年に登場した「ロマンスカーSE(3000形)」は、「新宿~小田原間を60分で結ぶ」という目標のもと開発された車両。「SE」は「Super Express car」の略称です。
当時の日本国有鉄道 鉄道技術研究所と共同で、1954(昭和29)年から開発に着手。
空気抵抗低減のため先頭部は流線形に。車両間に台車を配置した連接構造、車体のフレームと外板を一体化したモノコック構造を採用し軽量化を図り、東海道本線で行われた走行試験では当時の狭軌鉄道としては世界最速の145km/hを達成しました。
ロマンスカーSEに採用された技術は後の国鉄特急車両や新幹線「0系」の開発にも役立てられており、高く評価されています。
「機械遺産」に認定
そんなロマンスカーSEはいま、海老名市の「ロマンスカーミュージアム」に保存展示されています。
ロマンスカーミュージアムはこのほど、同館のロマンスカーSEが、2023(令和5)年8月7日に一般社団法人日本機械学会の「機械遺産」に認定されることになったと発表しました。
「機械遺産」は「歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝える」ことを目的とするもの。ロマンスカーSEは118番目の遺産として認定されます。
運転室に入れるガイドツアーを8月開催
ロマンスカーミュージアムでは、「機械遺産」認定を受けて記念イベントの開催を決定しました。8月7日から28日までは1階ロマンスカーギャラリーで認定証を展示するともに、ロマンスカーSEに関するパネル展示を行います。
また8月14日から17日までの4日間は、普段は一般開放していない運転室などSE車内へ案内する特別なツアーを実施。学芸員の解説とともに見学や撮影が楽しめるといいます。
入館料は必要ですが、ガイドツアーそのものの参加費は無料。
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