新金谷駅の転車台に乗るトラストトレインのC12 164(筆者撮影、2021年)

2022年9月の台風15号による災害で、一部区間の運休が現在も続く静岡県の大井川鐵道(大鐵)。「鉄道の日」の2023年10月14日、人気のSLに触れる体験イベントが開かれる。

日本ナショナルトラスト(JNT)の「親子ボランティア2023」では、SLの車両基地がある新金谷駅での車両みがきなどで、さわやかな汗を流した後、SLけん引の列車で新金谷ー川根温泉笹間渡間を往復する(帰路はEL〈電気機関車〉けん引列車)。

JNTは、日本の文化財や自然景観の保護と利活用を目的に、イギリスの環境保護団体「ザ・ナショナルトラスト」をモデルとして1968年に設立。2012年から、「公益財団法人日本ナショナルトラスト」として活動する。

設立時から、国鉄やJRグループが中心になって活動を支援。鉄道車両も重要な文化財として保護活動に取り組む。

大鐵では、市民の募金でSL(C12 164)と客車3両をトラストトレインとして購入し、大鐵が動態保存する(C12は休車中)。

JNTは、会員向けイベントを定例開催する。

今秋の親子ボランティア、コロナ禍をはさんで4年ぶりの実開催。当日は9時45分、新金谷駅の「プラザロコ」に集合。SL車両みがき、車内アナウンス体験、車両区見学で鉄道の仕事に触れた後、行きはSL(トラストトレインとは別車両)、帰りはELと、往復でけん引機が変わるトラストトレインに乗車する。

JNT会員以外の親子参加も可能で、イベントの詳細はJNTのホームページに掲載(有料)。申し込み締切は2023年10月5日。

記事:上里夏生

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