JR東日本の経営体制が新年度スタートの2024年4月1日に変わる。深澤祐二代表取締役社長は取締役会長に就き、新しい代表取締役社長には喜勢陽一代表取締役副社長・マーケティング本部長が就任する。
喜勢新社長は、住田正二、松田昌士、大塚陸毅、清野智、冨田哲郎、深澤祐二の各氏に続く、JR東日本7代目の経営トップ。旧運輸省出身の住田氏を除き、松田氏から深澤氏までの5人は国鉄採用で、JR東日本では国鉄時代を知らない初めての社長になる。千葉県出身で59歳。
1989年に東京大学法学部を卒業して、JR東日本に入社。人事部長、常務・総合企画本部長、常務・事業創造本部長などを歴任。2021年6月から副社長として、高輪ゲートウェイシティの開発などで手腕を発揮してきた。
役員になってからは、主に開発部門を担当。鉄道事業に直接タッチしていないのも、最近のJR東日本の企業姿勢を象徴する。
1987年のJRグループ発足から2024年4月で37年を経過。国鉄末期は職員採用を見合わせていたこともあり、国有鉄道時代を知るJR社員がほぼ皆無になる。深澤社長はこうしたタイミングに合わせ、経営陣の若返りを図ることにしたという。
喜勢新社長は、「2022年に鉄道150年の節目を迎え、次の時代を切り開く責任を感じる。
本サイトでは、これまでも喜勢新社長の発言などを伝えてきた。JR東日本が2022年9月に開催した鉄道開業150年セミナーでは、高輪ゲートウェイシティ開発について、「リアルな鉄道ネットワークと、交流拠点になる駅を生かし、外部の技術・知見を組み合わせてサービス創造の拠点にしたい。ゲートウェイシティを社会課題解決の実験場に」と述べている。
JR東日本の最大のプロジェクト、高輪ゲートウェイシティの開発状況については、2024年年始に2回連載で報告した通りだ。
また、2023年11月に開かれたJR東京駅クリーン作戦「第14回東京エキマチキラピカ作戦」では、東京ステーションシティキラピカ作戦運営協議会会長として清掃奉仕に汗を流す喜勢氏を伝えている。
記事:上里夏生



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