JR東海は14日、東海道新幹線の最新モデルである「N700S」を2026年度から2028年度にかけて17編成追加投入すると発表した。2026年度に4編成、2027年度に7編成、2028年度に6編成追加し、同社が保有する「N700S」は計76編成になる。
新たに投入する「N700S」には様々な新機能を追加し、安全性や異常時の対応力を強化する。
営業車の一部編成には検測機能を搭載し、「ドクターイエロー」の検査を代替できるようにする。JR東海は「ドクターイエローと同等以上のデータを高頻度で取得できる」としており、設備の安全性・信頼性の向上や保守作業の省力化に期待がかかる。パンタグラフ監視装置には飛来物検知機能を搭載し、飛来物の付着をより早く検知することで重大事故の未然防止につなげる。
指令所とやりとりする車両データの伝送量も増やす。これにより車両故障等の異常で新幹線が停まったとしても、指令所が車両状態をより詳細に把握できるようになるため、運転再開の早期化が期待される。また、「N700S」には停電時も安全な場所まで走行できるようバッテリ自走システムが搭載されているが、自然災害などで運転できない場合は、バッテリで車両の空調を稼働できるように機能を追加する。
環境への配慮として、これまで車体の屋根部にのみ使用していた東海道新幹線再生アルミを車体側部にも採用、リサイクルを推進する。注目したいのが「架線電圧を維持する機能の搭載」だ。架線電圧の維持は地上側で行っているが、この装置を車両側に搭載することで地上装置を一部削減できる。全ての編成にこの機能を搭載すれば、年間でCO2排出量を約1万トン削減できる。
車内整備作業を省力化するため、車内には一部の号車を除き客室の座席を自動で転回させる装置を導入する。
(鉄道チャンネル)
※2024年6月14日19時6分……誤字を1箇所修正しました(鉄道チャンネル編集部)



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