最新の西九州新幹線から門司港を思わせるクラシックな駅舎まで、JR九州の魅力を詰め込んだ「九州のまち」が出現した。といってもリアル(現実)ではなく、バーチャル(仮想空間)の話……。
JR九州は人気メタバースゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」に、九州の鉄道の魅力を疑似的に体感できる「九州鉄道ランド(Kyusyu Train LAND)」を開設した。ゲーム空間上に誕生した、「JR九州専用の土地」という位置付けだ。
東京のエンタメビジネスのスタートアップ(ベンチャー)企業・Minto(ミント)とタイアップ。JR九州はお披露目を兼ねて、2024年7月4~6日に京都で開催されたカンファレンス「IVS Crypto 2024 KYOTO」に参加した。
メタバースは、「人々が様々な活動を行うネット上の3次元仮想空間」。ユーザーは、アバターと呼ばれる自分自身の分身でゲームに参加する。2012年に公開されたザ・サンドボックスには、事業発信の観点から多くの企業が参画する。
九州鉄道ランドには、列車、駅、沿線とJR九州の魅力を詰め込んだ。YouTube公開された開発中の映像には、福岡県北九州市の九州鉄道記念館を思わせる鉄道施設とともに、転車台のある機関庫、九州新幹線、485系特急・RED EXPRESSなどが登場する。
JR九州は、「ゲームをクリアしていくと、特別な光景に出会えるかも」と、鉄道・ゲームファンの参加を呼び掛ける。
メタバースの市場規模、総務省の「2022年版情報通信白書」によると、2021年の4兆円から2030年は79兆円規模に拡大する。
鉄道は、実際に来て乗ってもらわないと収入にならない、バーチャルとは対極のビジネス。
九州鉄道ランドでは、オープン記念の限定アイテムを販売。また、2024年7月31日まで「X(旧Twitter)キャンペーン」では、Xフォローなどからアバターが着用できる、レトロな制帽を抽選でプレゼントとする。
記事:上里夏生