ベテラン鉄道ファンなら積雪地域で活躍した「キマロキ編成」をご存じかも。キ(SL)+マ(マックレー車。
高性能ラッセル車の登場で1970年代には姿を消したキマロキ編成、現車4両が唯一編成として残る北海道道北の名寄市で、若者を中心にした保存活動が進んでいる。
北国博物館(名寄市)で野外展示されるキマロキの次世代への継承を目指し、国鉄OBを中心とする「キマロキ保存会」(同市)、若手まちづくりグループ「nociw*(ノチウ)」(音威子府村)、北海道科学大学(札幌市手稲区)学生有志の3団体が、クラウドファンディングを活用した資金集めに取り組んでいる。
支援金募集は2025年6月8日まで。第一目標金額120万、NEXT GOAL目標額300万円のところ、5月29日時点で164万7436円が寄せられている。
JR宗谷線の要所・名寄は国鉄時代、機関区や車掌区があった鉄道のまち。名寄市は国鉄から車両貸与を受け、1976年からキマロキの編成展示を始めた。
1996年に北国博物館がオープン、開館に先だつ1993年からキマロキはJR宗⾕線の⾞窓から⾒える場所に移設された。2010年にはJR北海道の準鉄道記念物に認定されている。
清掃や修繕活動は保存会が受け持つ。
音威子府村出身の横山助教は学生有志を募り、資金集めのノウハウを持つノチウと連携しながら「キマロキ☆ミライプロジェクト」を立ち上げ。鉄道ファンも注目する、キマロキグッズ返礼品などを学生が考案した。
クラファン経由で調達した資金は、若者目線で制作する新しいパンフレットやグッズ試作に活用する。関係者の口述記録やPR活動にも利用。新しいパンフは2025年7月19~21日、北国博物館で保存会などが開催する「キマロキまつり」でお披露目、発売を予定する。
キマロキ保存会の菅野雅夫会長は、「2025年はキマロキ保存活動から50年。今後、60年、70年と取り組みを継続し、キマロキを地域の宝として守り続けるためにも、皆さまのご協力をお願いしたい」と呼びかける。
プロジェクトの詳細はREADYFOR(レディーフォー)のサイトで。
記事:上里夏生



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