新潟平野を走り抜け、多くの人々の足として活躍した「かぼちゃ電車」。「電鉄」の愛称で親しまれた新潟交通電車線の廃線から26年、地域のシンボルとして大切に保存されてきたその車両が、長い修復期間を経て、往時の美しい姿を取り戻しました。
愛称は「かぼちゃ」、新潟平野を駆け抜けた思い出の電車
「かぼちゃ電車」の愛称で親しまれているのは、1933年(昭和8年)に製造された車両「モハ11号」。かつて新潟市の「白山前駅」と「燕駅」を結び、多くの市民から「電鉄」の愛称で親しまれた「新潟交通電車線」で活躍しました。新潟市街地と西蒲原(にしかんばら)地域を結ぶ大動脈として、通勤・通学客をはじめ、多くの人々の暮らしを支えた路線です。
鮮やかな緑色と黄色のツートンカラーがカボチャを思わせることから、いつしか乗客や沿線住民にこの愛称で呼ばれるように。丸みを帯びた車体と、木のぬくもりが感じられる車内は、昭和の面影を今に伝える貴重な鉄道遺産です。
1999年の全線廃止後、モハ11号を含む3両の車両は終点の一つ手前の駅だった「旧月潟駅」で、地元有志による「かぼちゃ電車保存会」の手によって大切に保存されてきました。今回の修復は、塗装の劣化や車体の損傷を直すことで、この地域の宝を美しい姿で後世に伝えたいという想いから行われたものです。
記念式典で、美しい姿をお披露目
式典では、修復が完了した車両の公開に加え、テープカットなどの催しが行われます。車両の歴史や、どのような修復作業が行われたかについても紹介される予定です。

開催日時:2025年7月27日(日) 10:00~ ※雨天決行、荒天中止
開催場所:旧月潟駅(新潟市南区月潟2919番地)
内容:修復完了車両の公開、テープカット、修復作業の紹介など
この機会に、きれいになった「かぼちゃ電車」に会いに、ぜひ旧月潟駅へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
(画像:かぼちゃ電車保存会)
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