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敦賀・若狭といった福井県の南側「嶺南エリア」を巡る旅は、敦賀駅エリアから移動し、美浜町へ。「美浜町レイクセンター」で電池推進遊覧船に乗る「三方五湖ネイチャークルーズ」を体験。
歴史に触れ、バードウォッチングを楽しんだ後は、海辺の宿「旅を奏でる ひろた」に宿泊して若狭湾で自家養殖しているトラフグ「若狭ふぐ」を堪能。翌日は、毎年3月2日に歴史的な伝統神事「お水送り」が行われることで知られる「神宮寺」を訪問しました。

【前回】
【敦賀駅編】敦賀・若狭エリアを巡る冬の福井旅 「鉄道と港のまち」敦賀はどんな街? 気動車も鉄道ジオラマもある「敦賀赤レンガ倉庫」へ
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電池推進遊覧船で三方五湖を巡るネイチャークルーズへ

【美浜町・小浜市編】敦賀・若狭エリアを巡る冬の福井旅 三方五湖を巡るクルーズに若狭ふぐ尽くし、伝統神事「お水送り」の舞台も見学
美浜町レイクセンター

2023年春にオープンした「美浜町レイクセンター」では、三方五湖を巡るネイチャークルーズに乗船し、水景色とともに自然と共生する暮らしを体感します。三方五湖とは、福井県美浜町と若狭町にまたがる三方湖・水月湖・菅湖・久々子湖・日向湖の総称。「五色の湖」とも呼ばれています。

公共交通機関で向かう場合、JR小浜線美浜駅からレンタサイクルで約15分、春~秋の土日祝日は路線バス「ゴコイチバス」でもアクセスが可能です。

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レイクビューを堪能できるテラス席もあります。暖かい時期に、ここで小一時間くらい湖を眺めて過ごしたいですね

電池推進遊覧船は、電力で水上を走ります。美浜町レイクセンター内の太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に貯め、急速充電機によって電池推進遊覧船に充電することで動力を確保しているため、とてもエコな乗り物です。

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電池推進遊覧船に乗り込みます

「久々子湖(くぐしこ)」を出発し、「浦見川」を通過して、五湖最大の湖「水月湖」をめぐる約50分のコースに参加。船内ではガイドが遊覧船の仕組みや、見どころを紹介してくれます。

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これから通るルートが前方のモニターに表示されました

電池推進遊覧船はエンジン音がなく静かで振動も少ないため、湖に生息する野鳥を驚かせてしまうことがなく、バードウォッチングに最適です。参加者全員、双眼鏡を片手に船内で配布された野鳥リストを照らし合わせながら野鳥観察を楽しみました。

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ぬくみ漁の漁場に自然と集まる野鳥たち。この日最も多く見かけたのがマガモでした。2羽セットで泳ぐ特徴があり、頭が緑色の方が雄とのこと

久々子湖はボート競技のメッカとしても知られており、コースの紅白ポールが立っている場所も。ローイング競技大会に向けて練習をする様子も見ることができました。

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漕艇場がある久々子湖では、ローイング(ボート競技)の練習風景を頻繁に見かけるそう

久々子湖は海水が入り込む汽水湖で塩分濃度が高く、さまざまな海水魚が生息しています。近年は収穫量が減少傾向にあるものの、ヤマトシジミも生息しており、シジミ漁も行われているとのこと。
天然うなぎが獲れることでも有名で、夜行性のため筒を仕掛けて採捕するのだとか。三方五湖の天然うなぎ、今回は機会がありませんでしたが、いつか食べてみたい!

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浦見川の岩肌に現存する枡形。久兵衛が碑文を彫ろうとしていたところ、母親に「立派な仕事を成し遂げたのであれば石に刻まなくても後世に伝わる」と諭されて中止したため、輪郭だけが残っているとのこと

筆者がうなぎに思いを寄せている間に、船は水月湖と久々子湖を結ぶ「浦見川」へ。江戸時代、小浜藩士の行方久兵衛(なめかたきゅうべえ)が大地震のため冠水した三方五湖の水害復旧のため、治水事業を主導。開削工事には22万人以上の人が携わり、約2年かけて完成したという人工水路です。

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三方五湖の中で一番大きな面積の「水月湖」

浦見川を通り「水月湖」へ。

ここは7万年前からの「年縞」が1ヶ所で連続して発見された、世界で唯一のスポットです。年縞とは、湖沼の底に堆積した層が織りなす縞模様の地層(堆積物)のこと。1年に1層形成されるそうです。詳しくは「福井県年縞博物館」で学ぶことができます。

小浜市・阿納で若狭ふぐ三昧!

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若狭湾を臨む、海水浴や釣りを楽しむのにぴったりなロケーション

約50分のクルーズを終えて向かったのは、小浜市の阿納(あの)というエリアにある宿「旅を奏でる ひろた」。JR小浜線「小浜駅」からタクシーで約15分。運行本数は少ないですが、同駅からあいあいバスの須ノ浦行きに乗り「阿納」バス停で下車してアクセスすることも可能です。
宿は阿納海水浴場の目の前。周辺は民宿街となっています。波の音をBGMに海を眺めて過ごせるなんとも贅沢な環境です。

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釣りなどの体験交流施設「ブルーパーク阿納」もすぐという立地

本館の客室は2023年にリニューアルしたばかり。オーシャンビューのロケーションを活かした空間づくりが印象的でした。

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筆者が宿泊した2階の「凰龍」という部屋。
オーシャンフロントの眺望を、ベッドからも、ベンチスペースからも楽しめます
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部屋の窓から、ふぐの養殖地がよく見えました

お待ちかねの若狭ふぐ三昧!

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一人一皿のてっさやフグの出汁たっぷりのフグ鍋、七輪で仕上げる焼きフグはかなりのボリューム!

夕食は、若狭湾で自家養殖しているというトラフグ「若狭ふぐ」を堪能します。水温の下がっている時期に獲れたものが特に美味しいそうで、毎年10月~3月頃に提供しているとのこと。(近年は温暖化により11月にずれ込むこともあるそう)。

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次々に出てくるフグ料理に全員夢中! 若狭まはたや鯛など他の魚も獲れるため、舟盛りを追加で注文する人もいるそうですが、個人的にはフグだけで十分満たされました

ふぐコースはてっさ(フグ刺し)・てっちり(フグ鍋)・酢味噌で食べる皮湯引き・から揚げ・フグ入りの茶碗蒸し・牡蠣の蒸し焼き・焼きフグ・雑炊・自家栽培の梅を使った梅ゼリーという豪華なラインナップでした。コース全体でひとり当たり1匹半のトラフグを使用しているとのこと。贅沢過ぎます! 噛むほどに旨味が深まるてっさに始まり、ふわっとジューシーな唐揚げも、肉厚な焼きフグも、フグ出汁がたっぷりと出たてっちりも最高でした!

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小浜酒造「わかさ」と三宅彦右衛門酒造「早瀬浦」

おいしいトラフグには、おいしいお酒が欲しいところ。小浜酒造「わかさ」にこんがりと焼いたトラフグのひれがたっぷりと入ったひれ酒がよく合います。三宅彦右衛門酒造の「早瀬浦」は、ネイチャークルーズのガイドさんがおすすめしてくれたもの。辛口のスッキリとした味わいがトラフグの繊細な旨味を引き立てます。

土地のものを味わい尽くす朝食

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あら汁のあらはお造りを提供した際に出たあらを冷凍しておき使用しているとのこと。鯛の出汁が良く出ていて美味でした

翌朝の朝食も、養殖した鯛のあらを使ったあら汁や自家栽培の白菜漬け、養殖した朝穫れわかめなど地のものが中心。小鉢のなまこは、前日に「偶然」発見したという代物。漁港あるあるなのでしょうか!? わかめはゴールデンウィークを過ぎたあたりから、天然物が獲れるとのこと。季節を変えて再訪したいですね。

奈良の深いつながりをもつ「神宮寺」

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「神宮寺」本堂

宿を出て向かうは、同じ小浜市内にある「神宮寺」。小浜ICから車で15分、JR小浜線「東小浜駅」から車で10分の立地。東小浜駅からは約3キロの距離で、レンタサイクルでもアクセスできます。

「神宮寺」は全国的にも珍しい「神仏習合」の寺院で、仏様と神様が一緒に祀られています。左右非対称の須弥壇(しゅみだん)やバクとゾウの彫刻が目を引く屋根飾りなど、他ではなかなか見られない特徴を随所で確認することができるスポットでもあります。

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本堂の注連縄越しに山々を望む

お寺でありながら、本堂の正面にしめ縄が張られていることも「神仏習合」のあらわれです。

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本堂の左奥にある「閼伽井戸」

「神宮寺」では毎年3月2日に伝統神事「お水送り」が行われます。「閼伽井戸(あかいど)」で汲んだ香水を遠敷川(鵜の瀬)から送ると、10日間をかけて奈良・東大寺の「若狭井」に湧き出すとされています。
「東大寺・二月堂」では毎年3月12日の深夜、「若狭井」から香水を汲み上げる儀式「お水取り」が行われます。「お水送り」も「お水取り」も、春の訪れを告げる人気行事です。

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閼伽井戸(あかいど)から湧き出る水は飲むことができます
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個人的に惹かれたのが、本殿奥、閼伽井戸の横に佇むスダジイの巨木。市の指定天然記念物に指定されています。
苔に覆われた姿が目を引きますね

敦賀・若狭エリアを巡る冬の福井旅、次回は暦にまつわるスポットや高浜漁港に隣接する複合施設、若狭町の名所「熊川宿」で行われる冬ならではの光景も見学します。

文/写真:斎藤若菜

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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