365日滑れる時代へ、「ザウス」の熱狂を次世代型で! 苗場・...の画像はこちら >>

かつて千葉県船橋市、京葉線・南船橋駅前にそびえ立った巨大な屋内スキー場「SSAWS(ザウス)」を覚えていますか?気候変動により雪を体験できる地域が減少する中、日本の豊かな雪資源を次の100年へつなぐ壮大なプロジェクトが動き出しました。2025年10月に設立された株式会社Japan Snow Mountain Consulting(JSMC)は、代表取締役社長にトリノ五輪4位入賞の皆川賢太郎氏を迎え、日本のスキー場再生と、持続可能な「通年型スキードーム」の建設構想を発表しました。

世界約1,800箇所のスキー場を見てきた皆川氏が描く、単なる懐古主義ではない、最新技術と自然の力を融合させた「新しい雪文明」の姿を紹介します。

トリノ五輪入賞・皆川賢太郎氏の新会社

2025年10月に設立された株式会社Japan Snow Mountain Consulting (JSMC)は、日本の雪と冬季産業の未来に向き合う企業です。2006年のトリノオリンピック・アルペンスキー男子回転で日本人として約50年ぶりの入賞(4位)を果たした皆川賢太郎氏が代表取締役社長に就任しました。

雪を「思い出」から「未来資源」へ

JSMCは、日本の雪が持つ世界最高水準の質と多様な山岳地形を再評価しています。日本の雪を単なる思い出にするのではなく、未来資源として捉え直し、価値を再定義して実装する仕組みづくりを提唱しています。

日本のスキー場再生⇒まずは苗場から実証開始

JSMCの第一の目標は、人口減少や施設の老朽化、投資停滞といった課題を抱える日本全国のスキー場を、持続可能な形で再生することだといいます。

苗場エリアでの「NAEBA VALLEY PROJECT」の推進

その第一歩として、新潟県湯沢町の苗場エリアを実証フィールドに位置づけ、「NAEBA VALLEY PROJECT」を推進しています。このプロジェクトを通じて、運営モデルや収益構造、地域との共創といった現実の成果を積み上げ、全国のリゾート再生へとつなげていく狙いです。

かつての巨大施設「ザウス」の限界を超えて

365日滑れる時代へ、「ザウス」の熱狂を次世代型で! 苗場・安比を拠点とした「通年型スキードーム」構想、 新幹線アクセスも期待?
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第二の目標にして最大の注目ポイントが「通年型スキードーム構想」です。日本は1990年初頭に世界初のスキードーム(SSAWS等)を建設した国です。しかし、当時は莫大な初期建設費やエネルギーコストに依存した持続不可能なランニング構造という明確な限界がありました。

雪室文化と最新技術の融合

JSMCはこれらの課題を克服するため、豪雪地帯に古くから伝わる「雪室」文化と最新の造雪・冷却技術を融合させるという、世界初の全く新しいアプローチに挑戦します。既存の自然勾配を利用して建設コストを抑え、豊富な天然雪を活用する設計を行うといいます。
エネルギーを過剰に消費せず、自然の力そのものをインフラとして活用するのが、この構想です。皆川代表はこれを「新スキードーム(SSAWS REBORN)の再誕生」と呼び、苗場(HQ)と安比(APPI)を未来の雪文明をつくる二大拠点と定めています。

鉄道・おでかけ市場への波及効果に期待

かつての「ザウス」は、京葉線沿線の賑わいを創出する重要なレジャー拠点でした。
今回のJSMCが描く構想は、単なる懐古主義ではなく、再生可能エネルギーや教育、都市再開発をも包含する複合型インフラへの進化を掲げています。

新幹線網と次世代リゾートの相乗効果

もし、上越新幹線(越後湯沢駅経由)でアクセスする苗場エリアや、東北新幹線・花輪線でアクセスする安比エリアに、通年で雪を楽しめる次世代型施設が誕生すれば、オフシーズン(夏季)の鉄道利用・新幹線利用を劇的に底上げするような、強力なコンテンツとなります。
スキー客の輸送を長年担ってきた鉄道網と、新たなスノーリゾートがどのように連携し、沿線地域の活性化を生み出していくのか・・・。今後の事業展開やインフラ整備の動向からも目が離せません。

365日滑れる時代へ、「ザウス」の熱狂を次世代型で! 苗場・安比を拠点とした「通年型スキードーム」構想、 新幹線アクセスも期待?
雪の中を走行する新幹線(写真:PIXTA)

気候変動というピンチをチャンスに変え、日本の誇る「雪」と「知恵」を掛け合わせて生み出される次世代のスキードーム。かつての熱狂を知る世代も、新しいおでかけスポットを探しているファミリー層も、これからの日本のスノーリゾートがどう進化していくのか、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。
(画像:株式会社Japan Snow Mountain Consulting、PIXTA)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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