トップ画像は「これぞ大湊線のハイライト」と個人的に思う前面展望です。右は陸奥湾、その向こうに山々を遠望しています。
さて、陸奥横浜駅を出た大湊線は、暗雲が垂れ込める下を進んでゆきます。果たして野辺地駅まで空模様はもつのか? 雰囲気はよくありません・・・。
陸奥横浜駅から7.1kmで吹越(ふっこし)駅。人口希薄地帯なので駅間が長いです。
手前の踏切は県道、右に50mほどで国道279号線、集落もあります。左にも集落と耕作地が広がっています。
航空写真で見ると奇妙なハウスの大きな集落が10カ所も散らばっています。どうやらホワイトファームという大手ハム会社がやっている大規模養鶏場の様です。
更に直径が約82m高さ24mという巨大な石油タンクが山の中に51基並んでいます。むつ小河原石油備蓄基地です。
ホームの待合室にJR東日本仕様風の駅名標。ホームに大湊線様式の駅名標、と有畑駅と同じパターンです。
駅名標。1943年(昭和18年)開業。駅名標も「ふっこし」と促音(小さな「っ」で表される音)で表記されています。駅所在地が上北郡横浜町字吹越です。
吹越駅から次の有戸駅までが大湊線で最長の駅間で13.4kmもあります。
ちなみにJR在来線の一番長い駅間はJR北海道石北本線上川駅~白滝駅の37.3km。筆者はこの区間、何度も乗っていますが隣の駅まで48分かかります。こちらは47km/hくらいです。気動車がキハ40系ですし勾配が多くカーブもキツいのでスピードが出せないのですね。
キハ100系はぐんぐんスピードを上げます。最高速は85km/hくらいでした。
駅間は長いのですが、大湊線きっての絶景ポイントがこの区間なのです。
右手車窓に陸奥湾が広がります。
左の岩(巨石?)は幸田露伴の文学碑。露伴先生は、明治25年(1892年)恐山を訪れた際のことを紀行文「易心後語」に収めていて、この地のことを書いています。ちょうど夏でしたからハマナスが咲き、馬がいるとか・・・何とか。露伴先生の小説に興味はありませんが随筆は絶品です。ただし、難しい漢語が頻出するので筆者には辞書が必要。(笑)
文学碑は線路を背に設えられています。列車の後方を振り返れば恐山が陸奥湾の向こうに見える様です。
この区間が大湊線のハイライトです。【非電化路線に乗ろう02】大湊線 その8 に続きます。
(写真・記事/住田至朗)
「【非電化路線に乗ろう02】大湊線」一覧



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