アヌティン・チャーンウィラクン 首相兼内務大臣は29日、国会で施政方針演説を行い、カンボジア国境紛争の早期解決や、貿易戦争の解決、国民所得の増加などを主要政策に掲げた。また下院解散について、1月31日実施を明言。
タイラットなどの報道によると、アヌティン首相は、「4カ月間の政権が、物事を成し遂げる能力があることを証明する」と語り、下院の1月31日解散に向け「経済の信頼と公共の安全、国家の尊厳を回復する」と表明。憲法改正に関する国民投票を支持すると述べた。
経済対策について、国民の所得増加と、光熱費や交通費など生活費の削減に取り組む。「共同支払い制度」を立ち上げ、債務問題を解決し、国民の貯蓄機会を増やす。
観光客の信頼回復に向け、安全を確保し、詐欺の取り締まりを実施。貿易相手国との自由貿易を強化するため「タイチーム」を設立。貿易戦争の影響の解決を急ぐ。積極的に新規市場を開拓し、米国関税で深刻な影響を受けている企業や農家を支援する。
安全保障について、カンボジア国境紛争の平和的解決を目指す。国境線での主権と国境線を守り、外交交渉メカニズムと強力な国防体制を通じ、紛争を終結させる。タイとカンボジアの覚書(MOU)の破棄に関する国民投票を実施する。
社会政策では、全形態の違法賭博を厳しく取り締まる。カジノを併設した娯楽施設やポーカーを含め、全形態の賭博事業を支援しない。法の支配を維持し、宗教の保護に取り組む。
また、任期が限られた少数派政権のため、国家予算を作成していないと語った。
29日開会の議会は16時間に渡り、深夜2時に終了した。