かつてイタリア代表やユヴェントスなどの監督を歴任したリッピ photo/Getty Images
熱狂的なファンが作り出す雰囲気に感動
チームを盛り上げるサポーターの力は絶大だ。スポーツの世界には“ホームアドバンテージ”という言葉が存在するが、そんな言葉が生まれたのは紛れもなく自軍を応援するサポーターの存在があるからだろう。
そんな“ホームアドバンテージ”を世界で最も感じることのできるスタジアムはどこか。リヴァプールが本拠地とするアンフィールドを挙げるファンも多いだろう。しかし、イタリアにも忘れてはいけない“要塞”がある。ASローマのスタディオ・オリンピコだ。
ジャッロロッシの試合となれば、多くのローマっ子が集う同スタジアム。試合開始前には名曲『Roma Roma』が流れ、試合中はスタンド全体を埋め尽くした熱狂的なファンがチャントを大合唱。試合終了後も自軍が勝利すれば、これまた名曲『Grazie Roma』のどこか落ち着きのあるメロディが場内を包み込む。その一体感は欧州屈指と言っていいだろう。

ホームゲームが開催されるたびにローマっ子が集うスタディオ・オリンピコ。スタンドの一体感は欧州随一だ photo/Getty Images
そんなスタディオ・オリンピコの雰囲気には、イタリア屈指の名将も魅せられていたようだ。その名将とはかつてイタリア代表やユヴェントスなどを指揮したマルチェロ・リッピ氏。
「ユヴェントスの監督をしていた時に、ローマと連絡を取ったことはなかった。ただ、その後にはフランチェスコ・トッティとの素晴らしい関係を築いたこともあり、少しだけ話をしたんだ。具体的な話にはならなかったけどね。だが、ローマのベンチは監督として一度体験してみたかったよ。オリンピコでは選手がプレイするたびにスタジアム全体から素晴らしい歌や応援が聞こえてくる。私はあれが本当にエキサイティングだと感じたんだ」
オリンピコの大観衆を味方につけて試合をしてみたかったというリッピ氏。はたしてその監督キャリアで数々の栄冠を手にした名将がローマを率いていれば、ジャッロロッシの獲得タイトル数は今頃どうなっただろうか。想像してみるのもおもしろい。
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