ドルトムントの攻撃を支えるブラント photo/Getty Images
「本当にやりやすいよ」
昨夏の移籍市場、ドルトムントにとって一番大きかった補強選手は誰か。マッツ・フンメルスやトルガン・アザールは今季のチームにおいて欠かせない戦力となっており、彼らの名を挙げる人も少なからずいるだろう。
レヴァークーゼン時代はサイドアタッカーとしての印象も強かったが、新天地で中盤セントラルという新境地を開拓したブラント。ボールの繋ぎ役としてチームのパスワークを司り、正確なキックで攻撃のスイッチを入れる。プレイの幅を広げた男は誰もが認めるドルトムントの主力となった。
しかし、ブラントの進化はまだ止まっていない。シーズン後半戦はエムレ・チャンの加入によって1列ポジションを上げると、前線を自由に動き回る“偽10番”の役割も完璧にこなしてみせている。リーグ戦再開後のシャルケ戦やヴォルフスブルク戦ではその動きにさらに磨きがかかり、この24歳はもはや手がつけられない領域に足を踏み入れようとしている。
そんなブラントが現在チームで任されている“偽10番”について語っている。初めは全く聞いたことがない役割だったものの、彼はプレイするうちに自身のスタイルと“偽10番”との間に親和性を見出していったようだ。

リーグ戦再開1発目のシャルケ戦でも存在感を放ったブラント photo/Getty Images
「自分がこの役割をするまで“偽10番”なんて言葉は聞いたことがなかったね。“偽9番”しか知らなかったよ。
「でも実際、試合中にはかなり自由があるよ。僕は何かに制限されることが好きじゃないから最高だね。もちろん、ゲームプランや守備のタスクは尊重しなければならない。でも、監督は前後左右の全方向に動く自由を僕に与えてくれている。だから、彼がタッチライン側で何を言っているのかも聞こえてくるよ。本当にやりやすいね。この役割にはかなり助けられているよ」
クラブ公式YouTubeチャンネルにて、ブラントはこのように語っている。どうやら、今ではすっかり“偽10番”の虜となっているようだ。自身が楽しめているからこそ、彼はこの難しい役割を何なくこなせているのかもしれない。
ドルトムントの攻撃を司る“偽10番”。自由の翼を手に入れたことで、超絶テクニシャンがさらに恐ろしい選手となっている。
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