レアルで長きにわたって活躍するベンゼマ photo/Getty Images
「私にとっては彼こそが最高」
フランスサッカーの歴史上、最強のストライカーは誰か。おそらく、挙げる名前は人によって様々だ。
しかし、現役時代に「フランス史上最高のプレイヤー」との呼び声も高かったジネディーヌ・ジダン(現レアル・マドリード監督)が選ぶのは、現在彼自身が指導しているストライカーだ。そのストライカーとは、もちろんレアルの攻撃陣を牽引するFWカリム・ベンゼマ。数年前までは絶対的エースのクリスティアーノ・ロナウドをサポートするプレイに徹していた同選手だが、ポルトガル代表FW退団以降の彼は自らが得点を奪う形にそのプレイスタイルを変化させた。今季もここまで公式戦16試合で10ゴールを奪っており、レアルにとっては大きな得点源となっている。
そんなベンゼマが2009年夏の加入以降、レアルで積み上げた通算得点数はなんと「259」。これはクラブ歴代4位の数字で、3位のアルフレッド・ディ・ステファノ氏(266得点)をも射程圏に捉えている。圧倒的な資金力とブランド力を武器に、次々と世界の有力選手を獲得してきた歴史を持つレアルにおいて、少し地味ながらもこれほどの成績を残しているベンゼマ。ジダン監督も、ベンゼマを推すのはこういった積み重ねの数字を高く評価してのことだと次のように語る。スペイン『MARCA』が伝えた。
「私にとっては、彼こそがフランス史上最高のストライカーさ。
「だが、それでいてカリムはゴールについて常に考える純粋な9番ではない。頭の中でそればかり考えていないからこそ、私は彼のことが大好きなのさ。味方にパスを出さなければいけない状況となれば、彼はパスを選択する。だから私は彼を推す。両方をバランスよく兼ね備えているんだ」
ストライカーとしてのエゴイスティックな面を封印しつつも、チャンスとあらばキッチリと得点を狙うベンゼマ。そのバランスは絶妙で、ジダン監督もそんな彼のプレイには満足しているようだ。決して派手ではないが、コツコツとレアルでのクラブ通算得点数を伸ばしてきたベンゼマ。フランス代表からはしばらく遠ざかっているものの、今後フランス史上最高のストライカーを議論する際に彼の名前は外せなくなってくるか。