中盤で奮闘する岩尾憲 photo/Getty Images
着々と勝ち点を積み上げている徳島ヴォルティス
新監督が開幕に間に合わない中で結果も振るわず、序盤は厳しい戦いを強いられていた徳島ヴォルティスだが、横浜FC戦から3連勝と徐々にチームの歯車が嚙み合ってきた。前節は浦和レッズ相手に互角以上に渡り合ったが、セットプレイで失点。
そのまま黒星となってしまったが、チームとしては良いところまで来ており、最後の一歩が押せない、そんな試合であった。
14日に行われたセレッソ大阪戦では2-1で白星となったが前節同様攻めてはいるものの、追加点が奪えない。この問題が今後の課題となりそうだ。
とはいえ、攻撃も開幕に比べて大幅に改善されている。やはり、この要因はキャプテンを務める岩尾憲の圧倒的な安定感から繰り出される組み立てにあると言える。
湘南でキャリアをスタートさせた岩尾は2016年に徳島に加入。翌年からキャプテンに任命され、2014年以来のJ1復帰となった今年も岩尾がキャプテンマークを巻いている。
そんな岩尾は中盤でボールを配給し、攻撃を組み立てるゲームメイカーだ。両足から放たれる高精度のパスで左右にボールを散らし、高い位置を取る両サイドバックの攻撃力を存分に生かしている。チームでもその高精度のキックを買われ、セットプレイでのキッカーを担当している。プレイスタイルは現ジュビロ磐田の遠藤保仁に近いものを感じることができる。
勝利したセレッソ戦でもその巧みな組み立てを駆使し、右サイドを駆け上がる岸本武流に何本も鋭いフィードを送っていた。
また、キーパスも5本記録しており、繋ぐサッカーで攻撃のスイッチを入れることができる選手でもある。ボランチでコンビを組んだ藤田譲瑠チマとの相性も良く、セレッソ相手に中盤を支配していた。
更に守備でも高い貢献度を見せる岩尾。この日はタックル成功回数2回、インターセプト数2回と攻撃だけでなく守備でも体を張ることができる、徳島の欠かせない主力の一人であることが分かる。
このように攻守ともに高いレベルで仕事ができる岩尾の存在はJ1でもしっかりと実力を示している徳島の原動力となっており、監督不在でも勝ち点を稼げたのはキャプテンである岩尾の存在が一つの要因であると言える。
また、新監督であるダニエル・ポヤトスが次節の鹿島戦から指揮を採れることとなっており、今以上の活躍でJ1の舞台を席巻する徳島に注目したい(データは『Sofa Score』より)。
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