ともに今季マルセイユにレンタルされているウンデル(左)とグエンドウジ(右) photo/Getty Images
PSGとはまた種類の違う“上手い補強”
2021-22シーズン、ここまで9試合を終えてリーグ・アンで3位につけるオリンピック・マルセイユ。現時点で首位を走るパリ・サンジェルマンとは10ポイント差をつけられているものの、周囲より1試合消化が少ないなかでこの成績は立派と言える。
ましてや、今夏には大幅な戦力の入れ替えもあった。昨季までチームの主力としてプレイしていたFWフロリアン・トヴァンやDF酒井宏樹といった選手を放出し、マルセイユは彼らに代わる新たな主軸を多数補強。チームの形が定まるまでには少し時間を要するかとも思われたが、ここまでは至極順調に事が運んでいると言っていい。
なかでも、極上の働きを見せているのがレンタル加入組だ。ASローマからやってきたGKパウ・ロペスやFWジェンキズ・ウンデル、そしてアーセナルから貸し出されているDFウィリアム・サリバとMFマッテオ・グエンドウジの4人は大車輪の活躍を披露している。それぞれ所属元のクラブでは出場機会に恵まれなかった男たちだが、新天地ではその実力を遺憾なく発揮。パウ・ロペスはスティーブ・マンダンダから正守護神の座を奪い取り、ウンデルは両サイドのアタッカーとして開幕からリーグ戦でのゴール3連発を記録。サリバは早くも最終ラインの中心に君臨しており、グエンドウジも攻守の要として中盤に欠かせぬ存在となった。
今夏レンタルでマルセイユに加入した選手で、完全に定位置を掴んだとは言い切れないのはシャルケからやって来たMFアミーヌ・アリくらいのものか。レンタル組5人のなかで、4人もレギュラーとしてチームの中心に君臨しているマルセイユ。そのアリも準レギュラーのような立ち位置ではあるため、全員が戦力となっているのは非常に興味深い。
他クラブから借りてきた実力者を巧みに組み合わせ、リーグ・アンにおける影響力を維持することに成功しているマルセイユ。