インサイドハーフの選手として台頭してきたフォーデン photo/Getty Images
サイドチェンジやクロスが正確だ
セルヒオ・アグエロ退団以降は本職のストライカー不在でここまで戦っているマンチェスター・シティ。それでも、プレミアでは25試合で61得点とリーグ最多得点を挙げており、ストライカーの不在を苦にしていない。
明確なCFなしでもここまで得点を量産できるのは、偽9番という戦術が大きく影響している。偽9番とはセンターフォワードの位置に本職のストライカーではない選手を配置し、より前線での流動性を生み出す戦い方だ。それが今のシティにはハマっており、攻守でレベルの高いチームを作り出している。
フィル・フォーデンはチーム内でも偽9番としてCFの位置に入ることが多く、4-0で勝利したノリッジ・シティ戦でもCFとしてプレイしている。
彼の偽9番は守備意識の高さとインテリジェンスを武器に攻守で安定感を生んでおり、最も機能しているパターンだといえる。
しかし、彼のもう一つの武器であるパスセンスを生かすには、一つポジジョンを下げたインサイドハーフがいいかも知れない。
イングランド代表では既に常連のフォーデンだが、代表ではCFの位置にハリー・ケインといった絶対的なストライカーがおり、偽9番をやる必要がない。そのため、ウイングや中盤で起用されるのだが、MFとしてパサーのように振舞っていることが多い。そのパス精度やパスセンスは高く、マンチェスター・ユナイテッドでプレイしたロイ・キーン氏には世界最高のクォーターバックと称されるトム・ブレイディに例えられ、サッカー界のブレイディと呼ばれて称賛を受けている。
それほどフォーデンのパスは武器になるのだ。また、強烈なミドルシュートも強みの一つであり、昨季のCLラウンド8ドルトムント戦ではボックス外からのシュートを沈め、試合を決定付けている。
アタッキングサードでのパス数(281回)、成功率(88%)、キーパス(29回)、成功したクロス数(23回)とどのスタッツでもプレミア上位に食い込んでいるフォーデン。