チェルシー時代からの輝きを取り戻したいエデン・アザール photo/Getty images
アンチェロッティは答えを求めている
今季初のエル・クラシコがラスベガスで行われた。シーズン前のプレシーズンマッチだったが、強度の高い試合が繰り広げられ、1-0でバルセロナが勝利を収めた。
バルセロナ、レアル・マドリード共に新戦力のデビューとなったが、レアルは攻撃の軸となるカリム・ベンゼマが不在だった。そこでカルロ・アンチェロッティ監督はエデン・アザールを3トップの中央に置く偽9番を試した。
アザールは先日、西『MARCA』にて「ここ(レアル)で成功するために全身全霊を捧げるつもりだ」と発言しており、チェルシー移籍後本領発揮とはなっていないパフォーマンスの改善を示唆するコメントが注目されていた。
しかしバルセロナ戦では慣れない偽9番ということもあって見せ場はなく、前半の45分のみの出場に終わっている。とはいえ、このアザールを見限るのはまだ早い。前半はルカ・モドリッチやトニ・クロースらがベンチスタートとなっており、さらにバルセロナの強度の高いプレッシングもあってボールが上手く前に進んでいない。そのためアザールの足元にボールが収まるシーンはなく、自身の頭上を越えるようなパスばかりであった。後半からは前述したモドリッチらが投入されボール保持に力を入れており、その状況でアザールの偽9番起用を見たかった。
後半は前半右サイドを務めていたロドリゴが3トップの中央に入っている。ビルドアップの活性化もあってロドリゴにパスが入る場面が多く、アザールよりも機能していた印象だ。
アザールの偽9番起用はおそらくベルギー代表MFが得意とするフリックを生かすための策だといえる。アザールが降りて前線にスペースを生み出し、そこに飛び出す選手がゴールを奪う。
ベンゼマが起用できないこともあってアザールの偽9番をテストしたアンチェロッティ。収穫はそれほど多くないが、一つのオプションとして今後も使われることになるか。