カゼミロはマンUへ向かう photo/Getty Images
サポーターからは問題ないとの見方も
レアル・マドリードは今回も上手く穴を埋めるだろうか。20日、マンチェスター・ユナイテッドはレアルからMFカゼミロの獲得を発表した。
カゼミロはレアルでトニ・クロース、ルカ・モドリッチと中盤の黄金トライアングルを形成していたアンカーであり、今季もレアルの中盤はこのトリオが支配していくものと思われた。それがまさかのマンU移籍となり、中盤の形は崩れることになった。
しかし、サポーターの多くはクラブを信じていることだろう。近年レアルを去った大物プレイヤーが新天地で思うような成績を残せない一方で、レアルの方は上手く退団者の穴を埋めているからだ。
昨夏にはDFセルヒオ・ラモス、ラファエル・ヴァランの両名が去ったが、その穴をダビド・アラバと若いエデル・ミリトンであっさりとカバー。昨季はリーグ制覇とチャンピオンズリーグ制覇のダブルを達成した。今夏はそこにアントニオ・リュディガーも加えており、さらに守備は盤石なものとなるだろう。
前線ではFWクリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイルといった大物がクラブを離れたが、今では若いヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴ・ゴエスが順調に伸びている。ロナウド退団直後は得点力大幅ダウンを感じるシーズンとなったが、それでもレアルの立ち直りは早かった。昨季のタイトル獲得はその証拠とも言える。
カゼミロの退団も痛手ではあるが、今夏にオーレリアン・チュアメニを獲得している。まだ22歳と若いが、将来的なカゼミロの後継者候補として獲得しているはず。
また昨今は年齢の壁が破れてきているとはいえ、カゼミロも30歳だ。マンUはカゼミロ獲得に6000万ポンドの移籍金を費やしたとされる。年齢的なことを考えれば、この額での売却も悪い話ではないだろう。
米『ESPN』はSNS上でのサポーターの声を紹介しているが、レアルのフロレンティーノ・ペレス会長の手腕を称える声も目立つ。
「ペレスはフットボール界最高の会長だ。彼の望む時に選手を売却し、欲しい額を手にしている。ロナウドらを手放さなければフリーで去っていたはず。またチームをリフレッシュしても、しっかりと勝っている」
「マドリーは勝ち続けている。クラブ以上の選手はいない」
「アップダウンはあるが、マドリーが選手に執着することなくチームを再構築する術は印象的だ」
アンカーの位置に入るカゼミロは長らくレアルの生命線だったが、そこをチュアメニらでカバーしていけるのか。これも世代交代への一歩であり、すでにレアルには明確なビジョンがあるのかもしれない。