ジル・ヴィセンテで躍動する藤本寛也 photo/Getty images
W杯・カタール大会後試されることになるか
ポルトガルのプリメイラリーガで上位クラブとされるスポルティングCPでプレイする守田英正。今夏の移籍市場ではサンタ・クララから見事ステップアップに成功しており、出場機会を得ている。
プリメイラリーガでは守田以外にも存在感を発揮している日本人選手はおり、ジル・ヴィセンテのMF藤本寛也もその一人だ。
Jリーグでは東京ヴェルディで頭角を現わし、2020年からポルトガルでプレイする藤本。背番号は10と非常に期待されており、昨季は32試合で3ゴール2アシストとまずまずの数字を残した。期限付きでの加入だったが、今夏その活躍が見込まれ完全移籍でジル・ヴィセンテに加わっている。
攻撃的な選手であり、強みはチャンスメイクだ。正確なパスから好機を生み出し、守備時の切り替えも悪くない。昨季は2アシストに終わったが、ビッグチャンスクリエイト数は10回を記録しており、リヴァプールへ移籍したダルウィン・ヌニェスと同じ数字を記録していた。
今季からポルトガルのカーザ・ピアでプレイするMF邦本宜裕も面白い存在だ。Jリーグではアビスパ福岡に所属し、その後韓国のクラブを経てプリメイラリーガにたどり着いた邦本。所属するクラブで問題を起こすことが多く、前所属の全北現代モータースでは自身の飲酒運転が原因でクラブを退団している。
それでもその才能は本物であり、一気に韓国からポルトガルにステップアップを果たした。
そんな魅力的な2人に共通するのは今季残したスタッツだ。両者ともに開幕から全試合に出場しており、その中で藤本は16本、邦本は18本のキーパスを記録している。リーグ全体で藤本は10位、邦本は7位の好成績だ。プリメイラリーガは欧州5大リーグではないが、ステップアップすればビッグクラブでも活躍できるような人材が揃っており、実際に今夏ヌニェスはリヴァプールへ移籍している。そんなレベルの選手がいるリーグでこれだけの数字を残せる日本人選手はそういない。それが今では同時期に2人存在しており、ポルトガルを沸かせている。
日本サッカー協会が邦本の素行をどのように判断するか分からないが、2人ともワールドカップ・カタール大会後サムライブルーに呼びたい人材であることは間違いない。藤本は23歳、邦本は24歳とこれからの選手であり、日本のフル代表に名を連ねることになるのだろうか(データは『SofaScore』より)。