酒井は浦和のACL制覇に大きく貢献 photo/Getty Images
海外組の経験値は若手に良い影響を与える
中田英寿らの世代に始まり、欧州挑戦を志す日本人選手が増えた。今では日本代表メンバーの大半が海外組で構成されており、海外での成功は大きな目標になっている。
ただ、次なるステージにも突入している。海外で経験を積んだ選手がJリーグに戻って力を発揮するパターンだ。
直近では浦和レッズのACL制覇に貢献し、大会MVPを獲ったDF酒井宏樹だ。
フランスの名門マルセイユで5年間主力を張ってきた酒井は現在33歳。Jリーグへの復帰はキャリアの後退と捉える人もいたかもしれないが、米『ESPN』は最近の日本人選手にそれは当てはまらないと主張する。
「酒井はロッベンやリベリ、ネイマールやムバッペといった選手たちを相手に自分の力を試してきた。その酒井がJリーグに戻ることになり、下り坂になるとの考えもあっただろう。しかし、それは真実からかけ離れていた。酒井は浦和レッズでACL制覇に貢献し、大会MVPにも選ばれた」
「最近のJリーグには、欧州でのプレイを終えたスター選手の流入が見られる。セレッソ大阪に戻ってきた香川真司は最も有名な選手であり、彼のパフォーマンスは目立たないにしても安定している。他にもFC東京に戻った元インテルのDF長友佑都は昨年のワールドカップでも日本代表としてプレイし、依然として戦えることを証明した。ドイツで過ごしてきた大迫勇也と武藤嘉紀もヴィッセル神戸の一員として優勝へチャレンジしている」
海外挑戦で終わるのではなく、その経験をJの舞台へ還元していく。
「元より多くのアジア人選手が欧州で成功することを目標としていたが、彼らのキャリアは母国に戻っても続けることができる。酒井のように、さらに良くなる可能性さえあるのだ」
同メディアはこう締めており、酒井の浦和入りは理想的な流れだったと言える。Jリーグ復帰は決してネガティブなものではなく、欧州を経験した者たちの帰還でJリーグはもう一段上のレベルへ辿り着けるはずだ。