浮き沈みの激しいスパーズ
横浜F・マリノス監督時代にはJリーグ王者となったポステコグルー監督 photo/Getty Images
トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督が自チームの苦しい現状を独特な言い回しで語り、話題を集めている。
スパーズは今シーズン浮き沈みの激しい日々を過ごしており、現在プレミアリーグでは12位と、本来の実力が発揮できているとは言い難い状況にある。
そんなトッテナムは次戦、日本時間1月9日の早朝にカラバオカップ準決勝第1戦で再びリヴァプールと相見える。ポステコグルー監督は、その試合前の会見でチームが苦しい状況の中、全員が精一杯頑張っていることを示唆する発言を、こんな言い回しでアピールした。
「サラーはワールドクラスの選手だ。しかし、もしその彼を今スパーズに迎え入れても、今の彼と同じレベルのパフォーマンスを発揮できるかどうかは分からない」
「彼のあの攻撃的なプレイには、他に誰が必要なのか? 好調でチャンスを作り、前線でプレイでき、まとまりのある堅固な守備の基盤を持つチームが必要だ。現時点では、我々のチームにこれらのいずれも存在しない」
そしてポステコグルー監督は、今シーズン得点数が伸び悩んでいるエース、ソン・フンミンのことを聞かれた際には、先ほどモハメド・サラーを例に挙げて語ったように「もしソン・フンミンをリヴァプールのチームに入れたら、彼の得点力は相当なものになるだろうと私は思う」と答えた。そして「現在、我々の選手たちは厳しい状況にあり、ベストを尽くそうと必死に努力している。我々が最高の状態になったとき、ソン・フンミンの本来のゴールを決める能力が戻ってくると思う。彼が衰えたとは全く思わない」とも述べている。
サッカーは団体競技である以上、ポステコグルー監督の発言も一理あるように思う。個人の調子の良し悪しは簡単に測れないし、チーム状況に大きく左右されることは大いにある。
いずれにせよ調子が良い時のスパーズは、強豪をも圧倒してしまう力があることは事実。今後リーグ後半戦でどれだけ好調を維持できるかが焦点となることは間違いない。弱音を吐きたくなる苦しい時期かもしれないが、これからがポステコグルー監督の真価の見せ所だ。彼らの活躍に期待したい。