マンUをリードし続けるB・フェルナンデス photo/Getty Images
常にチームのために戦い続けてきた
マンチェスター・ユナイテッドは現在プレミアリーグで13位に沈んでおり、アレックス・ファーガソン氏の時代を知るサッカーファンにとっては受け入れられない状況だ。名門クラブではあるが、現代の選手を魅了できる状態ではないだろう。
そんなクラブで2020年から戦い続けるのがMFブルーノ・フェルナンデスだ。フェルナンデスはポルトガル代表でも絶対の主力であり、MFとして世界的に評価は高い。本来ならばチャンピオンズリーグに出場するチームでプレイしておくべき選手だろう。
それでも、フェルナンデスはマンUを見捨てていない。クラブに加入した2020年の冬から5年にわたってチームを支え続けており、スペイン『SPORT』は現代では珍しいタイプの選手だと称える。
「情が薄くなりつつある現代サッカーにおいて、フェルナンデスは絶滅危惧種なタイプと言えよう。チーム状況が悪い場合、スター選手が他の道を探るのは当然のことだ。しかし、フェルナンデスにこれは当てはまらない。彼には批判もあるが、それ以上にユナイテッドで愛されている。その理由は才能だけではなく、メンタリティの部分もだ。ユナイテッドがいかなる状況にあろうとも、フェルナンデスはオールド・トラッフォードという船を捨てなかった。彼は歴史あるチームをリードし、失われた栄光を取り戻すべく戦っている。
「過去5シーズンのうち、3シーズンでフェルナンデスはチームのトップスコアラーになっている。リーダーが欠けている今のユナイテッドにおいて、フェルナンデスはチームに光をもたらせる唯一の選手なのだ。フェルナンデスが全力を尽くしていないと批判するようなサポーターはいないだろう。もしフェルナンデスがチームを捨てるとなれば、このチームがどうなってしまうかは誰にも分からない」
フェルナンデスはスポルティングCPからやってきた選手のため、ワンクラブマンというわけではない。しかし、マンUのために戦い続けるメンタリティにはそれに近いものを感じさせる。
過去にはローマ一筋を貫いたフランチェスコ・トッティやミランのパオロ・マルディーニなどワンクラブマンがいたが、そうした選手は現代ではほとんどいない。マンUを支え続けるフェルナンデスは珍しいタイプと言えるのかもしれない。