アルゼンチン代表を指揮するスカローニ photo/Getty Images
W杯にコパ・アメリカも制覇と大成功
リオネル・メッシを中心に2022年のワールドカップ・カタール大会を制し、昨年もコパ・アメリカを制覇するなど結果を出し続けているアルゼンチン代表。
メッシを中心とした選手たちの実力はもちろんだが、彼らをまとめる指揮官リオネル・スカローニの手腕も見逃せない。
しかし思ったような結果は出ず、2018年にサンパオリを解任。その時アシスタントコーチを務めていたのがスカローニで、暫定的にアルゼンチン代表を指揮することになった。アルゼンチンサッカー協会のクラウディオ・タピア会長はそのままスカローニを代表監督に昇格させることを決定したが、当時この判断には否定的な声もあった。スカローニに指揮官としての経験が不足していたからだ。
結果的にスカローニの就任はヒットとなったわけだが、『TyC Sport』にてタピア会長は当時の決断を次のように振り返っている。
「最初はロシアでスカローニに会ったが、当時は難しい時期だった。彼はセビージャで対戦相手の分析などの仕事をしていたんだ。もし私がジャーナリストやメディアの意見通りに動いていれば、メディアが望むような大物指揮官の招聘に動いたかもしれないね。しかし長期的なプロジェクト、世代交代を勧められる指揮官は唯一スカローニだけだったんだ」
スカローニは今やアルゼンチンの名将であり、来年のワールドカップでは連覇の偉業へ挑むことになる。2026ワールドカップへ向けた南米予選でも着実に勝ち点を重ねていて、スカローニの招聘こそアルゼンチン代表成功の秘訣だったと言える。