プレミア優勝を喜ぶ遠藤(左) photo/Getty Images
クローザーとして確立した人気
今季プレミアリーグを制したリヴァプールにて、MF遠藤航の出場時間は僅か157分だ。これはリーグ戦の出場時間だが、英『Independent』はこれほど充実した157分はないと遠藤の貢献度を絶賛する。
すでに優勝を決めているリヴァプールは4日にチェルシーと対戦するが、チェルシーにはMFモイセス・カイセド、ロメ・ラビアの2人がいる。両者は2023年の夏、リヴァプールが獲得を狙っていた選手だ。遠藤の獲得に動いたのは、2人の獲得に失敗したからだ。
同メディアは当時の遠藤がリヴァプールにとって2番手候補でさえなかったと振り返っているが、今となってはリヴァプールも遠藤の獲得を後悔していないだろう。同メディアはクラブのカルトヒーローとなった遠藤を次のように絶賛する。
「2023年にリヴァプールが中盤の改革に動いた際、遠藤は第一候補どころか第二候補ですらなかった。彼らの補強方針は将来有望で、なおかつプレミアでの実績があるMFにあった。遠藤は当時30歳で、この基準に当てはまっていない。しかしあれから2年、遠藤はプレミア王者となり、レッズのカルトヒーローとなった」
「遠藤はプレミアのファンにとっては無名に近い存在だったが、事情通の中には遠藤の活躍を見抜いている者もいた。ドイツでも遠藤はサポーターを大興奮させるタイプではなかったものの、見る者からリスペクトと称賛を集める選手ではあった。ブンデスリーガの解説を務めるダン・オハガンは遠藤について、『ブンデスで最も知られていないスターの1人。ランニングモンスターであり、他に類を見ないエンジンを積んでいる。
「今季の遠藤はリーグ戦17試合に出場しているが、その全てがベンチからだ。役割は常にシンプルであり、集中して勝利を掴むことだ。遠藤はリヴァプールにとってのセーフティネットのような存在であり、中盤を安定させて勝利を掴む能力はリーグ優勝に大きな貢献となった。グラフェンベルフが称賛されることが多いが、遠藤の役割も見逃せない。タイトルの勝敗はラスト5分で決まるものだ。遠藤の仕事はタイトル獲得を確実なものとしたのだ。プレイタイムは157分に留まるが、その全てで目に見える成果を上げている。出場時間は少なくても、その影響力は驚異的と言える」
出場時間が少ない選手でここまで絶賛されるケースは珍しいだろう。