今季は9番ポジションで奮闘したL・ディアス Photo/Getty Images
中央の絶対的得点源がいないリヴァプール
今季プレミアリーグを制したリヴァプールだが、アルネ・スロット監督にとって万全のスカッドだったわけではない。それがもっともよく表れているのは前線の構成だろう。
得点力の高い選手は多いが、中央で構える生粋のストライカータイプはいない。ダルウィン・ヌニェスがそうかもしれないが、彼はリーグ戦28試合の出場で5得点にとどまっており、そもそもの得点力に疑問が向けられている。
モハメド・サラーを中央に置くという選択肢もあったが、スロット監督はサラーを右に固定した。9番のポジションについてはさまざまな試行錯誤がなされたが、結局ルイス・ディアスを最前線に置く形がシーズン後半から定着した。
ディアスはリーグ13得点と奮闘を見せたが、このポジションでの起用を来季も継続するのかという疑問は今後のリヴァプールを占ううえで重要かもしれない。『The Athletic』は、9番に置くことでディアスのストライカーとしての成長が見られたとしながらも、来季もこのポジションを継続することに関しては懐疑的な見方を示している。
「残る疑問は、ディアスが9番として成長しているのか、それとも今夏のリヴァプールにとって新たなセンターフォワードが不可欠なのか、ということだ。ゴール不足を考えると、答えは後者だろう。しかし、そこには目に見える以上の何かがある」
同メディアは、ここ数週間で生まれたトッテナム戦やアーセナル戦のゴールは、ディアスが役割に適応しつつあることを示していると論じた。ディアスは前線で流動的に動き、ボールを持っていないときのプレイも向上している。また、ディアスを中央に置くことで、コーディ・ガクポが左サイドで活躍できるようになったことも指摘されている。
つまり今夏に新たなストライカーを迎えることはリヴァプールにとって不可欠なことのように思えるが、そうすることでディアスやガクポの活躍が制限される可能性が高くなるということだ。
同メディアによれば、この2名は今季全試合でクラブの130ゴールのうち、27%を記録しているという。
なかなかに悩ましい問題だが、現在の流動性を壊さずに貢献できるストライカーをリヴァプールは獲得できるのか。そしてスロット監督はそれらの選手たちをうまく使いこなすことができるのか。前線の組み合わせの問題、特に契約延長も間近と言われているディアスをどうするかは、来季レッズが成功を手にするために、解決しなければならないポイントの1つとなりそうだ。
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