今季はニースでプレイしたムココ photo/Getty Images
ニースでもインパクトを残せず
今月11日より、欧州ではU-21欧州選手権が開催される。この大会に出場するU-21ドイツ代表はグループステージ初戦でU-21スロベニア代表と対戦するが、それを前に招集メンバーのことが話題を呼んでいる。
今この世代の中心となるのは、シュツットガルトでブレイクする大型FWニック・ウォルトマデだ。ウォルトマデは今月のA代表メンバーにも招集されているが、その後行われるU-21欧州選手権のメンバーにも名を連ねている。
そんな中、すっかり忘れられている選手がいる。2022ワールドカップでドイツ代表デビューを果たし、未来のエースになると期待されていたFWユウスファ・ムココである。
ムココは世代別ドイツ代表でゴールを量産してきた実績があり、全ての世代別代表で中心だった。しかし所属していたドルトムントで定位置を確保できず、そこからは悪い流れを断ち切れていない。
今季はフランスのニースにレンタル移籍していたものの、結果はリーグ戦11試合で2ゴールのみ。しかも後半戦からはスタメンに入る機会も激減し、2月2日のトゥールーズ戦が今季最後のリーグ戦出場だ。ベンチに入らないゲームもあり、ニースへのレンタル移籍が上手くいったとは言い難い。
A代表から声がかからないのはもちろん、今回のU-21ドイツ代表からも外れている。U-21欧州選手権予選では6ゴールを挙げる活躍を見せたのだが、現状ではチームに組み込みづらいか。
独『Bild』によると、U-21ドイツ代表のアシスタントコーチを務めるオヴィド・ハジューは今回の決断について次のようにコメントしている。
「ユウスファはチームの本大会出場に大きく貢献してくれた。ニースでプレイしていない時も、彼は常に我々の候補ではあった。彼とも何度か話し合ったが、我々は決断を下さなければならなかった。ユウスファではなく、他の選手を優先する決断をしたのだ。彼との意見も噛み合わず、議論は最後まで続いた。しかし、この決断に納得している。我々には他にも質の高い選手が揃っているからだ」
A代表の方でもウォルトマデに加え、マインツFWヨナタン・ブルカルト、遅咲きながらボルシアMGでブレイクしたティム・クラインディーストなどタレントが出てきている。今のところムココが2026ワールドカップでメンバーに入る可能性は限りなく低く、神童と期待されたFWは明らかに伸び悩んでいる。