パリ・サンジェルマンのヴィティーニャ photo/Getty Images
世界屈指のボランチ
昨年夏にトニ・クロースが現役を引退したのに続き、今年夏にはルカ・モドリッチも契約満了で退団したレアル・マドリードでは、彼らに代わる新たなゲームメイカーが必要になっている。
ディーン・ハイセンやトレント・アレクサンダー・アーノルドが加わったディフェンスライン、さらにキリアン・ムバッペやヴィニシウス・ジュニオールなど既に世界トップクラスの戦力が揃っている前線に比べると、中盤の問題は未解決のままとなっている。
シャビ・アロンソ監督は、パリ・サンジェルマン(PSG)のヴィティーニャを獲得することでこの問題の解決を図ろうとしていたようだ。テクニックと創造性、さらにハードワークを厭わない豊富な運動量も兼ね備えたヴィティーニャは、昨シーズンのPSGの躍進を支えた一人であり、25歳にして既に世界屈指のボランチの一人に数えられている。彼が加わることでレアルのサッカーが攻守両面でレベルアップすることは間違いないだろう。
もっとも、PSGにヴィティーニャを放出する考えは一切なさそうだ。『Defensa Central』、『AS』など複数のスペインメディアによれば、レアルはヴィティーニャの代理人であるホルヘ・メンデス氏と接触し、移籍の可能性について打診したところ、1億3000万ユーロ(約222億円)以上の移籍金が提示されなければPSGが交渉に応じることはないだろうと告げられたという。
要求額があまりにも桁違いのものであるため、フロレンティーノ・ペレス会長をはじめとしたレアルの首脳陣はヴィティーニャ獲得の計画を一旦白紙に戻したとも『AS』などは伝えている。
クラブワールドカップでアルダ・ギュレルをボランチで起用したように現有戦力の中からゲームメイカー候補を発掘するか、もしくは残り1カ月を切った移籍市場でヴィティーニャに代わる即戦力の獲得に動くか。その二択をレアルは迫られているようだ。