マンUでプレイするアマド photo/Getty Images
ムベウモの加入でA・ディアロがWBに回ることに
マンチェスター・ユナイテッドの指揮官に就任して以降、自身が得意とする3バックシステムにこだわり続けてきたルベン・アモリム。アモリムはこのシステムでスポルティングCP時代に成功を収めているが、マンUで機能しているとは言い難い。
システムを固定した場合のマイナスポイントとして、選手側がシステムに合わせなければならないという問題がある。
現役時代にミドルズブラなどでプレイし、指揮官としてもセルティックやWBAで仕事をしたトニー・モウブレイ氏が気にかけているのは、昨季マンUの攻撃をリードする存在だったFWアマド・ディアロの起用法だ。
今夏マンUにはFWブライアン・ムベウモ、マテウス・クーニャら前線に新戦力が加わり、開幕からは[3-4-2-1]のシャドーにムベウモとメイソン・マウントが入るケースが続いている。ディアロは右のウイングバックに回っているが、モウブレイ氏はこの起用法に納得していない。
「彼(アモリム)にあれこれ指図できる立場ではないが、個人的には今のシステムでプレイする必要がないと感じている。なぜ1つのシステムに固執し、アマドを右ウイングバックの位置に押し込むのだろうか。アマドは素晴らしい選手だし、近所でもコーヒーを飲みながら彼について話すんだ。アマドは天才だよと。彼はボールを見ずとも、ボールが左足に吸い付いているかのようだ。それなのに彼を右ウイングバックで起用しているのは、システムに合わせているからだ。彼は相手を翻弄し、左足でゴールを決められる。それが何で右ウイングバックでプレイし、守備で相手アタッカーを自陣ペナルティエリアまで追いかけているのか」(『Manchester Evening News』より)。
同氏は2022年から1年半にわたってサンダーランドの指揮官を務めていて、その時にディアロはマンUからのレンタルでサンダーランドに加わっていた。直接指導したことがあるからこそ、ディアロの起用法にモヤモヤするところがあるようだ。
本来はもっと高い位置で起用すべきで、相手ペナルティエリアに侵入できるところでのプレイが好ましい。右ウイングバックもこなせる選手ではあるが、ベストポジションとは言えないだろう。これも[3-4-2-1]にこだわりすぎていることが影響しており、もう少しシステムを柔軟に使い分けてもいいのかもしれない。