勝負師の勘が冴え渡っているスロット監督 Photo/Getty Images
またも薄氷の勝利
プレミアリーグ第4節、バーンリーとリヴァプールの一戦はリヴァプールが0-1と勝利を収めた。バーンリーの堅い守備を相手に攻めあぐね、アディショナルタイムまで0-0で推移していたこの試合。
交代出場したジェレミー・フリンポンがクロスを入れると、バーンリーMFハンニバル・メイブリが上げた手に当ててしまい、リヴァプールはPKを獲得。これをモハメド・サラーが沈め、土壇場で勝ち点3を手に入れた。
地元紙『Liverpool ECHO』は、これは単なる幸運ではないと分析している。レスリー・ウゴチュクの退場で10人となったバーンリーに対し、アルネ・スロット監督は87分にイブラヒマ・コナテに代えてフリンポンを、フロリアン・ヴィルツに代えてリオ・ングモハを投入している。CBを1枚とし、徹底的にゴール前でのプレッシャーを高める戦術に切り替えたのだ。結果、ハンドを誘ったのはフリンポンのクロスだった。
今季、リヴァプールは開幕から薄氷を踏むような勝利を続けている。開幕戦のボーンマス戦は88分まで2-2。第2節ニューカッスル戦もATまで2-2だった。しかしいずれもスロット監督の交代策が当たっている。ボーンマス戦は82分に投入されたフェデリコ・キエーザが決勝点。
同紙は「スロットの野心的な選手交代は称賛に値する」「昨季に何度か実証されたように、レッズの監督は、勝てる試合があればベンチで賭けることも厭わない」と評した。ギリギリで勝ち続けているように見えるリヴァプールだが、勝因はスロット監督の勝負どころを心得た交代策にある。
勝ち点1をしっかり勝ち点3に変えることができているリヴァプール。これが王者たるゆえんだと言うことができそうだ。