バロンドールに輝いたデンベレ Photo/Getty Images
見違えるような選手となった
『France Football』主催の2025年バロンドール授賞式がパリにて行われ、パリ・サンジェルマンのフランス代表FWウスマン・デンベレが初受賞を果たした。
昨季53試合で35ゴール14アシスト。
両足を使えるという稀有な特性を持ち、若い頃から将来を嘱望されていたデンベレ。しかし、同時に素行の悪さが話題になることも少なくない選手だった。遅刻癖は有名で、バルセロナ時代には罰金を科されたことも。
『Daily Mail』は、デンベレに近い情報筋からのコメントを報じている。
「ウスマンは長い間、あまりにも優秀だったので、サッカー以外のことに集中する必要がなかったのです。午前2時までプレイステーションで遊んでも、翌日もパフォーマンスを発揮できることを彼は知っていました」
「バルセロナで困難に直面しはじめた時、彼は自分がプロ選手らしい人生を送っていないことに気づいたのです。ただ、成熟するのに少し時間がかかっただけです。2021年に結婚して父親になったことは大きな出来事でした。責任感が増し、ピッチ外での規律が成功の鍵だと気づきはじめました」
デンベレは昨季も10月のCLアーセナル戦を前にして、ルイス・エンリケ監督と仲違いした。「チームの期待に従わない、あるいは尊重しない人は、プレイする準備ができていないということだ」とエンリケ監督は語り、デンベレをロンドンに連れて行かなかった。
しかし4月の末に再びエミレーツ・スタジアムへ乗り込んだPSGは、デンベレの選手としての見違えるような覚醒によりまったく違うチームとなり、今度はアーセナルを破った。決勝点を挙げたのはデンベレだ。
チームメイトのために惜しみなく走り、その俊足を生かして「2人分」とも言われるほど積極的にプレスで貢献するようになったデンベレ。デンベレのこのような姿こそがバロンドールに値するものであり、彼は私のバロンドールだとCL優勝決定後のエンリケ監督は語っている。
「悪童」と呼ばれ、才能と裏腹に怠惰な姿をたびたび見せていたデンベレ。そんな彼もバロンドールに輝くまでに成長した。デンベレの受賞は、人は変われるのだということを教えてくれているようだ。