新トレンドのロングスローを元リヴァプールコーチが一刀両断 「...の画像はこちら >>

トレンドのロングスローを投げるホール Photo/Getty Images

トップクラブの失策

元リヴァプールコーチのトーマス・グロネマーク氏が、プレミアリーグで新たなトレンドとなっているロングスローについて「見苦しい」と酷評している。かつて元アーセナル監督のアーセン・ヴェンゲル氏が「もはやサッカーではなくラグビーだ」と批判したロングスローが、今シーズンは多くのチームで主流の戦術となっている。

『Mirror』が報じている。

『Opta』によると、今季これまでにペナルティエリア内に投げ込まれたロングスローは172本に上り、過去10年間で最も多い。ブレントフォードやニューカッスル・ユナイテッドといったチームがこの戦術でゴールを決めており、アーセナルやリヴァプールも積極的に取り入れている。しかし、スローイン専門コーチとして知られるグロネマーク氏は、その質の低さを指摘し、「多くのチームが質の低いロングスローを投げすぎている」と語る。

同氏は取材に対し、多くのクラブが単にトレンドに乗っているだけで、適切な練習をしていないと批判している。特に、リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスルといったトップクラブのスローインの質は「非常に低い」と断言。ロングスロー後のポゼッション率はわずか25~33パーセントに留まっているという。「ほとんどのチームにとってスローインは本当に見苦しい部分。クオリティが低すぎて、ボールがデュエルになるようなプレッシャーのかかる場所へ投げ込まれてしまうからだ」と話している。

ロングスローは、正しい技術を習得すれば大きな武器となるが、適切な練習なしに行うと、ただボールを失うだけの危険な戦術に成り下がるようだ。グロネマーク氏の指摘は、トレンドを鵜呑みにせず、基礎からしっかりと戦術を練り上げる重要性を改めて示している。今後、トップクラブがこの戦術をどのように改善していくのか、注目していきたい。

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