ウルブズ戦も自滅しかけた…… アルテタ自身も危惧するアーセナ...の画像はこちら >>

劇的な勝ち越し弾を挙げ勝利したアーセナルだが、勝ち点を落とすところだった Photo/Getty Images

ボールを奪いに行けなかった

プレミアリーグ第16節、アーセナルとウォルバーハンプトンのゲームは2-1とホームのアーセナルが勝利した。

これで首位の座を守ったアーセナルだったが、試合内容は多くの人が試合前に期待したようなものとは違っていた。

首位のチームと、ここまで勝ち点2しか拾えていない最下位のチームとのゲームであり、もっと点差がついても良さそうなものだったが、結果は90分に同点弾を被弾し、ロスタイムに決勝点を挙げるという冷や汗ものの勝利。しかもアーセナルが挙げた2点はどちらもオウンゴールだ。

ミケル・アルテタ監督は試合後の会見で、次のように語っている。

「ほっとしたが、もっと点差を広げるべきだったのは明らかだ。前半は相手ペナルティエリア内で多くの場面を作り出したが、正確なプレイができなかった。また、多くの場面でユニフォームの色を間違えた。後半はこの点を改善しなければならなかった」

「我々はそれを成し遂げたと思う。得点のチャンスはもっと作った。しかしその後2~3分、守備に回り込み、完全に消極的になり、ひどい守備癖がついてしまった。一度もシュートを打たれていない相手に対して求めるレベルには程遠い。相手は最初のチャンスでゴールを決めた。これがプレミアリーグだ」

1-0で迎えたゲーム最終盤、アルテタ監督は積極的にボールにプレッシャーをかけろと指示していたが、チームは後ろに引きこもってしまい、ボールを奪いに行こうとしなかった。
その結果の失点だ。今回はなんとか挽回できたものの、前節アストン・ヴィラ戦でも終了間際に同じようなことになり、結果的に土壇場で決勝弾を叩き込まれた。

アーセナルはここ3シーズンを2位で終えているが、しばしば自らが最大の敵となってきたと『The Athletic』は指摘している。勝てるはずの相手に勝てなかったり、あるいは負傷者が重なって自滅してきた。この“自滅癖”をどうにかしなければならないと、アルテタは気づいているようだ。指揮官は終了間際の失点について、こうも言っている。

「これは我々の責任だ。我々は自分たちらしくプレイし続けなければならない。我々はある意味で結果に対処できるが、それは自分たちでコントロールしなければならない」

アーセナルの技術も戦術も選手層も、プレミアリーグをいよいよ制するのにふさわしいものが揃っているはずだ。あとは自分たちが、自分たち自身をどうマネジメントし、コントロールするか。優勝は、この1点にかかっていると言っても過言ではないのかもしれない。

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