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7月の第2週は首都圏で猛烈な雨が降り、数年に1度しか発生しないような大雨が短時間で降ったときに発表される「記録的短時間大雨情報」が、関東だけで24回も発表されました。この大雨の影響で、神奈川県横浜市ではマンホールの本体が吹き飛び、猛烈な勢いで水が噴き出すなどの被害がありました。この横浜市で起きた現象ついて、斎藤さんは“ウォーターハンマー現象”が原因ではないかと言います。
激しい雨が降ると、短時間のうちに大量の雨水が下水管へ流れ込み、下水管のなかの水位が一気に上昇して空気が圧縮されます。それによって、水圧で蓋が持ち上げられることを“ウォーターハンマー現象”、空気圧で蓋が持ち上げられることを“エアーハンマー現象”と呼びます。
斎藤さんは「マンホールには小さい穴がいくつか開いていて、そこから空気を逃がすように作られていますので、それによって、マンホールの蓋そのものは飛びにくくなっています。しかし、横浜での事故では、その小さな穴から空気が逃がしきれなくなってしまい、その結果、マンホールの上の部分ごと吹き飛んでしまいました」と解説します。また、今後も記録的な大雨が降った場合、同じような現象が起きる可能性は高いとのことです。
では、その危険を察知することはできるのでしょうか? 「“マンホールの蓋に穴が開いている”というのがポイントで、底から下水の水が上がってくると、まず空気が抜けます。そうすると、いつもと違うにおいが漂ってきたり、マンホールの蓋付近から“シュー”という音がしてくることがあります。こういう音が聞こえてきたら、下水管のなかの水位が上がってきているということです。そして、そういう音が消えたら今度は水が噴き出してくるわけです」と斎藤さん。
ですので、「いつもと違うにおいがする」「マンホールの蓋付近から“シュー”と音がする」という異変を感じたら、すぐにマンホールから離れましょう。
最後に、近年の都市型水害の危険性について尋ねると、「都市型水害は、今までの想定を超えるような新しいステージに入りつつあります。もっと短時間にゲリラ豪雨が発生するとか、そういったことを想定していかなければなりません」と警鐘を鳴らしていました。
<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/