8月31日(日)放送のゲストは田中眞紀子さん。現在の日本の政治と社会が抱える問題点について対談しました。田中さんが今の日本の政治と社会に警鐘を鳴らし、石破茂総理の進退、「政治と金」の問題に鋭く切り込み、自公連立の構造に言及するなど、これからの日本の政治に求めることなどについて語ってくれました。
(※この記事は放送当時の内容です)
(写真左から)馬渕磨理子、田中眞紀子さん、渡辺広明
田中眞紀子さんは1993年に無所属で初当選し、その後、自民党議員として活動。翌年には科学技術庁長官に就任し、2001年には小泉内閣で外務大臣、2012年には民主党・野田内閣で文部科学大臣を務めるなど、数々の要職を歴任してきました。さらに、田中角栄元総理の長女としても広く知られています。
政治の世界から身を引いておよそ10年。しかし近年は、メディアを通じて政治への思いを積極的に発信している田中さん。今回の出演では、その背景や考えをじっくりと語ってくれることになりました。この記事は、そのトークの模様の一部をテキストで紹介します。
◆石破内閣の進退についての持論
政治においては「ビジョンを描ける政治家」が求められると語る馬渕は、番組内で政治家の資質について話題を向けました。具体的には、石破内閣の進退に関する評価を田中さんに質問。
田中:ご本人(石破茂首相)は非常に無責任で曖昧だと思います。選挙から1ヵ月ほど経って、「このまま続けていいんじゃないか」という世論調査や支持率の上昇が報道されています。そうすると本人も「いいんじゃないか」と思ってしまう。これが曖昧なんです。
私は「曖昧さは絶対にあってはいけない」と考えています。もし、私が石破さんだったら、3回も選挙に負けた以上は責任を取って辞めます。そして、納得できないなら総裁選を実施し、自ら立候補されたらいいんです。
渡辺:なるほど。
田中:他の野党と連立を組むにしても、野党が小さく分裂していて組める状況ではないですよね。党内でけじめをつけず、曖昧なまま進んでいる。国民はフラストレーションを抱えていますし、世論やメディアももっと声を上げるべきだと思います。
馬渕:田中さんがいらっしゃった頃から、自民党では内向きの権力闘争が続いている、という認識でしょうか。
田中:今はむしろ曖昧になっていると思います。私は父の時代を間近で見て、自ら議員としても経験し、今は一主婦としての目線でも見ています。父の頃はたしかに権力闘争は激しかったですが、それは政策に基づくものでした。
たとえば(元内閣総理大臣である)池田(勇人)さんと佐藤(栄作)さんでは経済政策が大きく違いましたし、外交でも対立がありました。そのあと父は積極財政や日中国交正常化を掲げましたが、福田(赳夫)さんらは真っ向から反対し、激しくぶつかり合った。ですが、総裁選で勝敗を決し、勝った父はすぐに行動に移したわけです。
父(田中角栄)は「決断・実行・責任」を掲げ、それを体現していました。だからこそわかりやすく、相手を誹謗中傷せず、自らの主張を責任を持って示していたと思います。その姿を私は目の前で見てきました。よく勉強になりましたね。
番組では、今後の総裁選の行方についても議論が及びました。馬渕は「若手の登用など世代交代の可能性も議論されています」と話を振ります。
これに対し渡辺は、具体的な名前を挙げるのではなく「“色気のある人”が必要だと思います」と持論を展開。その人物像として、官僚をうまくコントロールし、世界のリーダーと対等に渡り合えること、さらに「永田町に染まりすぎない人物」であることを挙げました。
続いて、田中さんは「私は以前から申し上げていますが、林芳正さんが有力だと思います」と明言しました。その理由として、外交や財政に通じた知見、頭の回転の速さ、性格のよさ、そして「前に出すぎない控えめさ」を評価。さらに「とても賢く、バランス感覚に優れている」と称賛しました。
一方で、田中さんは「そういう人は今の政界では潰されてしまうリスクもある」とも指摘。そのうえで、「本来の保守の政治家として次を担うのは林芳正さんではないか」と期待を示しました。
今回の放送のフルバージョンは、AuDeeで配信中です。
<番組概要>
番組名:馬渕・渡辺の#ビジトピ
放送日時:毎週日曜 6:00~7:00
パーソナリティ:馬渕磨理子、渡辺広明
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/biztopi/
番組公式X:@biztopi_tfm