住吉美紀、西島秀俊さん
真利子哲也さん(監督・脚本)と主演・西島秀俊さん初タッグによる映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(9月12日(金)公開)。全編ニューヨークで撮影を敢行した日本×台湾×アメリカによる合作映画です。
ニューヨークで暮らす賢治(演:西島秀俊さん)とジェーン(演:グイ・ルンメイさん)のアジア人夫婦が、息子の誘拐事件をきっかけに、お互いが抱えていた本音や秘密が浮き彫りとなり、家族が崩壊していくさまを描いたヒューマンサスペンスです。
◆今作での役作りは?
住吉:作品がかなりハードコアというか……私も海外で暮らしていたことがあるので、異国人として暮らすときの苦しさというか、緊迫感をすごく思い出すところがありました。家族しか頼る伝手がないような感じも思い出し……私の場合は、そういう視点で作品を拝見しました。
西島:真利子監督が実際に1年間アメリカで過ごした中で実感したことが色濃く脚本に反映されているので、アメリカで暮らすアジア人家族、アジア人ということは、すごく描かれていると思います。
住吉:ここまで(台詞の)ほとんどが英語の作品だと知らずに拝見したのですが、英語だけで台詞を構築していくことについては、いかがでしたか?
西島:どうしても最初は「発音が……」とか、そういうことばかり気になっていて。でも、結局そうやっていてはダメなんだと気づきました。(演じる上で)やはり内面を充実させていないとダメで。作品によっては、ものすごく発音をチェックされて直される作品もあったのですが、今回の作品に関してはむしろ逆で、言葉が詰まったり、英語の発音がうまく回らないぐらい感情が溢れすぎているようなテイクのほうをすごく喜んでくれる監督でした。
だから逆に、あまり発音のことは気にしないというか、(演じた賢治という役柄は)実際追い込まれている人なので、そういうことに集中しようと思って演じました。
住吉:西島さんが演じたのは、ニューヨークに移り住んだ1人の男性。
西島:(建築の)研究で(ニューヨークの大学に)呼ばれている人なので、もちろん(英語で)話さなければいけないですけれども、英語の堪能さで呼ばれているわけではない、というのはありました。どちらかというと、僕がすごくシンパシーを感じたというか、自分のなかで大きかったのは、過去にあった出来事が、トラウマでもあるし、でもそれが原動力だったり、何か自分の興味を引くものでもあるということ。そのことが推進力にもなっているけど、同時にとらわれてもいるということは、多くの人がきっと共感することなのではないかと。
少なくとも僕は、何かそういう体験をしたことを持っているし、自分の体験のなかで、ネガティブであるけれども、そのことが自分を突き動かしている。そこにすごくシンパシーを覚えて、もしかしたら自分の内面と照らし合わせたところはあるかもしれないです。
◆忘れられないシーンは
住吉:今、仕事で“これが一番面白い!”って自分がワクワクしたり、“やってよかった!”みたいな部分って、どういうところですか?
西島:僕は映画の撮影が好きなので、自分が没入してそのシーンに向かえたときは、すごく充実感とか、何か本質に触れたような感覚っていうのはあります。
住吉:映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』で、忘れられないシーンなどはありますか?
西島:ラストでしょうか。自分自身がどういう風に演技しているかとは無関係に、“(役と同化して)その場にいられた”と感じているので、そういう瞬間をもっと積み重ねていきたいなと思います。
住吉:最後に、リスナーのみなさんにメッセージをいただけますでしょうか。
西島:「Blue Ocean」をお聴きのみなさま、今回『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』という映画が完成しました。今、人生に悩んでいたり、自分のやりたいことやかけがえのないものをどうしても周りが分かってくれないとか、過去にとらわれて、なかなかそこから抜け出せない、生活や家族のなかでいろいろな問題があるなど、いろいろ悩んでいるみなさんに観ていただきたい映画です。ぜひ、劇場に足をお運びください。
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西島さんの最新主演映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』は9月12日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開です。
<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月曜~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/bo/
番組公式X:@BlueOceanTFM