越川優さん
1984年生まれ石川県出身の越川優さんは、両親ともに元バレーボール選手という環境で育ち、先にバレーボールを始めていたお姉さんを追いかけるような形で自身も競技を始めます。高校時代に男子では高校生初の日本代表入りを果たし、卒業後はVリーグ・サントリーサンバーズへ入団。2006年にはチームとして初となるプロ契約を結び、チームの優勝に貢献し、個人でもMVPを受賞します。
日本代表として2008年開催の北京五輪に出場し、2009年からはイタリアのプロリーグで活躍した後、2012年にVリーグに復帰。2017年から東京五輪を目指してプロビーチバレーボール選手に転向するも、コロナ禍の影響などもあってインドアへ復帰。2022年に現役を引退され、現在はバレーボールの普及や解説、後進育成などの活動をされています。
◆越川優が注目する2人の選手とは?
高見:世界選手権は、これまで4年に1度の開催でしたが、2025年から2年に1度(奇数年)になり、参加チームも24から32に増えます。予選リーグは4チームずつ計8つのプールに分けられてラウンドロビン方式でおこない、各プールの上位2チーム、計16チームがノックアウト方式の決勝トーナメントに進出します。ちなみに、世界選手権では男子日本代表はプールGに属しており、トルコ、カナダ、リビアと争います。
藤木:越川さんも世界選手権の出場経験がありますが、やはりバレーボール選手にとって大きな大会ですか?
越川:そうですね。バレーボールの世界選手権は、オリンピックよりも出場チームが多くて“真の世界一を決める大会”とも言われていますので、そういった意味では、バレーボール界ではオリンピックと肩を並べるぐらい価値のある大会だと思っています。
藤木:そして、毎年おこなわれるネーションズリーグで、男子日本代表は2023年に銅メダル、去年2024年に銀メダル、そして、今年はベスト8という成績でしたが、ネーションズリーグ2025で輝いていた選手はいますか?
越川:オポジットの宮浦健人(みやうら・けんと)選手とセッターの永露元稀(えいろ・もとき)選手ですね。
そして、これから関田選手や西田選手がどういった形でチームに絡んでくるか分かりませんが、彼らは彼らで“自分が日本代表の中心選手だ”という思いでやってきていると思うので、そこからチームとしてどうフィットさせて、どう世界と戦っていくかというところが、すごく見物だなと思います。

(左から)高見侑里、藤木直人、越川優さん
藤木:監督の話でいえば、パリオリンピックまで率いてきたフィリップ・ブラン監督から新しくロラン・ティリ監督が就任しましたけれども、ティリ監督はいかがですか?
越川:2人とも現役時代に対戦したことがあって、タイプは違うんですけど、やはり戦術的にはすごく長けているので、どの選手とどんなチームを作り上げていくのかはすごく楽しみです。
あと、外国人監督でチームを作っていくうえで、すごく大事なのは“選手の自立”だと思うんです。海外は自立した選手が多いことが強みで、逆に日本はスタッフ陣やチームに頼ってしまう選手が多かったのですが、現在は海外組が増えたことで自立した選手も増えているので、そういったところと外国人監督の戦術がフィットすれば、間違いなく強くなると思います。
藤木:越川さんもイタリアのリーグでやられていた時期もありましたが、監督やコーチ(の指導など)で“日本と違う”と感じた点はありましたか?
越川:すごく多かったですね。監督も自分の意見や考え方を持ってチームを進めていくんですけど、選手もそれぞれ考え方を持っているので、それがマッチしたときにはめちゃくちゃ強いですが、それがうまくいかなかったら、チームとしての力が出せないといいますか(笑)。
藤木:ぶつかり合ってケンカになることもありましたか?
越川:選手によってはいましたが、そういった選手はやっぱり使ってもらえないです。でも、その選手が違う監督のチームで活躍できたりするので、それが海外の面白いところでもあります。
日本も移籍が盛んになってきているので、自分が活躍できる環境を選手が選べることはすごくプラスだと思いますし、海外組も常にそういう経験を積んでいるので、外国人監督が来ても、チームとしてしっかりやれる選手が増えてきているなと感じています。
ティリ監督は、大阪ブルテオンの監督もされていましたから、彼の考え方を理解している選手が今たくさんいるので、そういった部分ではすんなりチームになってきているのかなと思いますし、そうでなければネーションズリーグで結果も出ていないと思うので、これから日を追うごとにどんどんチームとして良くなっていくのではないかと思っています。
<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
番組公式X:@SPORTSBEAT_TFM