アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT(モーメント)”を探ります。


8月1日(金)と8日(金)の放送では、シンガーソングライターで音楽プロデューサーのsyudou(シュドウ)さんがゲストに登場。ここでは、8日の放送の模様をお届けします。syudou さんが作詞・作曲・編曲を手がけたAdoさんの楽曲「うっせぇわ」の制作エピソードなどについて語ってくれました。

syudou 大ヒット曲『うっせぇわ』制作秘話「Adoさんの...の画像はこちら >>

syudouさん、こっちのけんと



syudouさんはインターネット上での活動をはじめ、「邪魔」「ビターチョコデコレーション」「コールボーイ」「キュートなカノジョ」など多くのヒット作を発表。多くのアーティストに楽曲提供を手掛け、2020年10月にAdoに提供した「うっせぇわ」はさまざまなチャートで1位を獲得しました。アニメの主題歌から野球中継のテーマソング、ドラマのオープニングなど活動の幅は多岐にわたります。2025年5月には、日本武道館にてsyudou Live 2025「美学」を開催。独自のダークな世界観が注目を集めています。

こっちのけんと:続いて、syudouさんの人生の4つ目のモーメントは?

syudou:「2020年 脱サラとコロナと『うっせぇわ』」です。


こっちのけんと:そもそも普通にお仕事されてたんですか?

syudou:はい。2018年に大学を卒業して、そこから2年間は普通にサラリーマンをやっていました。

こっちのけんと:そうなんですね!

syudou:ちょうど2018年、会社員になるくらいからボーカロイドの曲をみなさんに聴いていただけるようになってきたんです。


こっちのけんと:新生活が始まって、音楽もいい感じになってきたんですね。

syudou:忙しかったんですけど楽しかったです。そこから2年経ち、「人生一度きりだし試してみるか」みたいな気持ちで退職を決めたんです。そうしたらコロナ禍が来ちゃいました。

こっちのけんと:うわ、怖っ! ちなみにお仕事ってどんな?

syudou:工学部出身だったので、地元の栃木で工業系の工場で検査をする仕事をしていました。実家から通えていたので、音楽と並行してもなんとかなったんですよね。マジで親に感謝ですね。

こっちのけんと:なるほど! じゃあ、「これはいけるかも!」と思ったきっかけは?

syudou:曲を聴いていただく機会が増えたり、今お世話になっているスタッフの方に出会ったことです。当時は音楽で生活している友達はほとんどいなかったのですが、ボーカロイドのイベントに参加して、いろんな生き方をしている人を見て「ちょっとやってみっか」という気持ちになりました。

こっちのけんと:すごい。そこからコロナ禍に入っちゃったと。

syudou:本当は会社を辞めてすぐ上京して、友達と会いたかったんですけど、コロナ禍のせいで夏まで延びてしまって。
そんな鬱屈としたなかで、実は「うっせぇわ」を作っていました。

こっちのけんと:作曲のオファーがあったのでしょうか?

syudou:そうですね。「メジャーデビューするのでお願いします」とご連絡をいただきました。当時からAdoさんはネットで人気があったのでありがたかったですね。

こっちのけんと:それであんな爆発的にヒットするとは! 曲はどうやって生まれたんですか?

syudou:やっぱりコロナ禍でストレスフルな状況でしたし、Adoさんの声が素敵なので、それが伝わる曲にしたいと思いました。脱サラ後で、上京する前の実家で作ったのですが、「やべえぞ。金を稼がねえと」みたいな必死さもありましたね。

こっちのけんと:そんな気持ちもあったんだ! 曲を作っているときの鬱憤って、メモします?

syudou:僕はほっといても何かしら思っているので、あまりメモはしないです。ちょっとしたことでパっと思い出せます。

こっちのけんと:syudouさんの歌詞って「そうそう、それだわ!」って思うことを書いてくれている印象があります。作詞で意識していることってあります?

syudou:自分に正直でいることですかね。普段の喋り言葉がそのまま歌詞になるのが一番の理想だと思っているんですよ。


こっちのけんと:わかる~(笑)! 僕、最近「音楽って自分にとって“逃げ道”かも」と思っていて。悩みを曲に乗せると、気持ちが昇華できるんですよね。

syudou:めっちゃわかります。僕にとっても逃げ道に近いです。ネガティブなことをそのまま言ってもよくないけど、音楽にすると人も喜ぶし、お金にもなる。最高って感じですよね。

こっちのけんと:そうそう! 共感してもらえてめっちゃ嬉しいです。

◆テレビアニメ「出禁のモグラ」のオープニングを書き下ろし

こっちのけんと:syudouさんは新曲を7月18日に配信リリースされました!

syudou:ありがとうございます! タイトルは「神頼み」で、テレビアニメ「出禁のモグラ」のオープニング曲です。


実は先ほどの話につながるんですけど、原作者さんの前作「鬼灯の冷徹」のアニメ版で、エンディングテーマを歌われていたのが上坂すみれさんなんですよ。

こっちのけんと:えっ! 今、めっちゃ鳥肌が立ちました。

syudou:10年の時を経て、かつて自分が好きだった声優さんが関わっていた作品の作者の最新作で、僕がオープニング曲を担当できることになりました。それがめちゃくちゃ嬉しかったです。


こっちのけんと:まさに伏線回収って感じですね。オファーが来たときはどうでした?

syudou:「キター!」って感じでしたね。当時はただ楽しませてもらっていた立場でしたが、今回は作品を少しでも盛り上げられる曲を書いて、恩返しができたらと思いました。

こっちのけんと:素晴らしい。これは完全な書き下ろしですか?

syudou:はい、オファーをいただいてから作りました。

こっちのけんと:曲のイメージはどう膨らませたんですか?

syudou:まず「出禁のモグラ」を読んで、その世界観から想像しました。作品はコメディなんですが、いろんな悩みを抱えた人が出てきて、それを主人公が神様のような存在として面白おかしく解決していくんです。でも根底には、「みんな何かしら苦労してるよね」というテーマがちりばめられていて。その部分を曲に反映できたらと思いました。

<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moment/
番組公式X:@TFM_THEMOMENT
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