2020年5月14日、一部地域を除く39県で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による緊急事態宣言が解除され、外出自粛が段階的に緩和されています。



一斉休校や在宅勤務へのシフトなど、家族の在宅時間が増えたことによる「食費・光熱費・通信費」の増加。

改めて家計の負担を実感した人も多いのではないでしょうか。家族の外出時間が増えていくことで、これらの支出は元の水準に戻ることが期待されますね。



ただ、外出自粛が緩和されたとはいえ、いわゆる“コロナ前”と同じ生活に戻るには、相当の時間がかかりそうです。この機会に、支出が多少増えても持ちこたえることができる“強い”家計を目指してみませんか。



■コロナで変化した“節約への意識”



ここで、LINE Pay株式会社( https://linepaycorp.com/ja/ )が、2020年4月末に「LINE家計簿」をフォローしているユーザーに対して実施したアンケート調査、「新型コロナウィルスの影響による家計の支出の影響( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002217.000001594.html )」についての結果をごらんください。



新型コロナウイルスによる影響による支出の変化

  • 増えている…37%
  • 今後増えそう…8%
  • 減っている…24%
  • 今後減りそう…7%
  • 変わらない…22%

どのような支出が増えたか

  • 食費…69%
  • 水道光熱費…50%
  • 日用品購入費…45%
  • 娯楽費…9%
  • 家具家電購入費…7%

具体的に増えた項目としては、食費では「デリバリー・テイクアウトの利用」、日用品購入費では「マスクや衛生商品の購入」などの声があがりました。



家計管理や節約を意識するようになったか

  • 意識するようになった…53%
  • 変わらない…42%
  • 意識しなくなった…4%

最近実践している節約方法

  • 無駄な買い物を減らす…62%
  • お金がかからない楽しみを増やす工夫…35%
  • 食費や日用品の支出の見直し…34%
  • 家計簿をつける…23%
  • 水道光熱費などの節約・・・18%
  • 予算管理をする…12%
  • スマホや保険など固定費の見直し・・・11%

■家計簿を無理なく続けるには?



前述のアンケートにおいて、2割強の人が最近実践している節約方法として挙げた「家計簿をつける」ですが、つい付け忘れたり、続かなかったり…という悩みもよく耳にします。家計簿を無理なく続けるためには、いくつかのポイントがあります。



記録を細かくし過ぎない

買い物1回あたりは小さな金額でも、1カ月の合計で大きな出費になっていることもあります。家計簿には、支払った日付、金額、項目が記録できれば十分です。家計簿には数百円ほどの安価なものもありますし、100円ショップでも購入できます。使いやすい内容をエクセルで作成してみるのも良いでしょう。レシートを撮影するだけで自動的に金額を集計してくれる、スマートフォン(スマホ)の家計簿アプリを活用してもよいですね。



自分で理解できればよいため、細かく記録できていなくても大丈夫。記録しやすさ・計算しやすさを重視して、1円未満を切り捨てるマイルールもOKです。

完璧さよりも習慣化を目指して、まずは続けることを意識するようにしましょう。



記録の仕方をひと工夫

無駄使いがありそうな支出先は細かく記録して、その他は大雑把に書いていく、という方法でも十分家計管理になります。生活スタイルによってはよく利用する店舗別に記録してもいいでしょう。コンビニや100円ショップをよく利用する人の場合、コンビニ〇円、100円ショップ□円と記録していくことで、月間の合計金額を把握しやすくなります。記録していくうちに出費の多さを自覚できるようになります。



家計簿というと「面倒」「難しい」というイメージがあるかもしれません。そんな人はスマホの家計簿アプリを試してみるとよいかもしれません。昼休みなど、ちょっとした時間に記録できるため負担感も少なくなります。



また、冊子タイプの家計簿は「1月始まり」が一般的ですが、家計簿アプリであればいつでもスタートできます。「時期を逃したので店頭に見当たらない」「日付の入っていない家計簿もあるけれど、さらに記入が面倒くさそう…」。アプリならそういう時にも便利です。



■家計簿は「つけた後」が大事!



家計簿をつけることで、何にお金を使いすぎているかが把握できるようになります。記録内容をもとに節約や貯蓄につなげていきましょう。

支出を見直すには、食費や固定的な支出など、支出額の大きい項目から見直していくことがポイントとなります。



食費・・・内訳を把握

家計の中でとくに大きな比重を占める食費関連は、実際に記録してみると予想以上の金額になっていることに気がつきます。コンビニなどに立ち寄る習慣も、回数を減らすだけで節約できそうです。「食品購入は1回いくらまで」「買い物は週3回まで」、といったルールを決めてみるのも効果的かもしれません。とくに外食については、回数を減らすだけ節約につながります。



家族や友人、仕事仲間との外食や交際費をなかなか減らせない場合は、予算を決めてみましょう。外食の予定が決まっているのであれば、その週は“コンビニ消費”を減らすなど1週間の予算内で調節していきます。



衣服・・・「本当に似合っているかどうか」

節約のために安い服を購入する人もいますが、衣服は無駄使いになりやすい費目の代表格です。まずは、自分の見た目・年代に似合うスタイルを、カラー診断などで探してみましょう。流行に左右されない価格高めのオーソドックスなスタイルがしっくりくる人もいますし、ファストファッションで流行のスタイルを取り入れた方がステキに見える人もいます。



お似合いの色・柄・スタイルが分かると、購入する際にも、日頃のコーディネートにも、迷うことが少なくなりそうです。



また、子どもの衣服については、成長すると本人の好みが強くなります。小さい時期は、手頃な価格の服を、成長に合わせて買い替えていくとよいかもしれません。その分、大きくなってからの衣服費として貯金しておくのです。

また、行事服以外は洗いやすく、子どもが一人で脱ぎ着しやすいものがおすすめです。



固定費・・・「料金・プランの見直し」

保険料やインターネット・携帯電話の通信費など、毎月自動引き落としになっていることが多い「固定費」。携帯電話の料金プランやインターネットプロバイダについては、お得なプランが次々に出てきています。



保険の見直しは、よりニーズに合った補償内容に変更できたり、保険料を少なくできたりする可能性もあります。無料で保険相談のできるサイトや窓口を利用してみるのもよいかもしれませんね。



貯蓄・・・「自動的に貯めるしくみを」

貯金は、給与天引きなどの先取り貯蓄が便利で、強制力もあります。支出を減らせた分だけ財形貯蓄や定期預金の積立額を増やして自動的に貯蓄できるようにすると、継続しやすくなります。



賞与の変動など、収入に多少波があっても対応できるように、家計の基盤を固めていきましょう。



投資・・・お金を「増やす」発想

節約だけでは貯蓄にも限界があります。これからは、お金を「増やす・育てる」という発想を持つのもよいでしょう。投資初心者でも取り組みやすい「つみたてNISA( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html )」や、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)( https://www.ideco-koushiki.jp/guide/ )」などの制度の検討もおすすめです。投資商品は元本割れのリスクがありますが、運用益が非課税になるなど税制面での優遇措置が設けられています。



「知っておきたい!iDeCo、つみたてNISAのメリット・デメリット( https://limo.media/articles/-/17145 )」、「みんなの老後資金はどれくらい?年齢別の貯蓄と負債~資産形成のために『NISA』と『iDeCo』を始めてみよう~( https://limo.media/articles/-/17364 )」などの記事もぜひご参考になさってくださいね。



■まとめ



家計簿は、お金の流れを把握できる優秀なツールです。お金の動きがわかれば、節約・貯蓄へのモチベーションや、さらには資産形成への意識を高めていくことができるかもしれません。

毎月少額であっても、継続して貯めていくことでまとまった金額になります。将来のために、着実な貯蓄アップを目指して家計管理に取り組みましょう。



【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。



【参考】
「新型コロナウィルスの影響による家計の支出の影響( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002217.000001594.html )」 LINE Pay株式会社
「iDeCoってなに?( https://www.ideco-koushiki.jp/guide/ )」iDeCo公式サイト
「つみたてNISA( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html )」金融庁
「知っておきたい!iDeCo、つみたてNISAのメリット・デメリット( https://limo.media/articles/-/17145 )」LIMO
「みんなの老後資金はどれくらい?年齢別の貯蓄と負債~資産形成のために『NISA』と『iDeCo』を始めてみよう~( https://limo.media/articles/-/17364 )」LIMO
「iDeCoとつみたてNISAとNISA、結局どれを選べばいいの( https://limo.media/articles/-/8351 )」LIMO



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