シニアを狙う代表的な詐欺は「振り込め詐欺」です。これは各家庭の固定電話にかかってくることが多いため、固定電話をスマートフォン(以下、スマホ)に切り替えることで標的になる確率を減らすことができるとも言われます。
しかし、最近ではスマホを利用するシニアが騙されるネット詐欺も横行しているようです。どのような手口があり、何に注意すれば良いのでしょうか。
■スマホ利用に積極的なシニアを取り巻くリスク
株式会社NTTドコモでは今年3月、『シニアの「ネットトラブル」のリスク調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000031650.html )』を行っています(全国のスマホを所有する60~79歳の男女300人が対象)。
同調査によると、自分が「スマホを積極的に使用している」と思う人が約8割(78%)、「現在使用している(定期的に閲覧または投稿している)SNS(ソーシャルネットワークサービス)やメッセージアプリがある」という人は6割以上(66%)となっています。
また、調査対象者のうち子どもがいるシニア(239人)に、「息子・娘が想像しているよりも、スマホを活用していると思いますか?」という質問に「そう思う」と回答した人も6割超(64%)いました。
一方、「ネット詐欺」と思われるものに遭ったことがあるかを聞いた結果は次の通りです。
- 4人に1人(25%)が「フィッシングメール※を受け取ったことがある
- 約5人に1人(21%)が「フィッシングSMS※(ショートメッセージサービス)を受け取ったことがある」
- 約7人に1人(15%)が「利用した覚えのないサイト・サービスからの請求を受けたことがある」
※銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙った詐欺メールやショートメッセージサービス
加えて、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSに顔写真や自宅近所の風景などをアップしたことで個人情報が特定され、自宅に空き巣が入るなどの被害につながった例もあるといいます。
同調査で「SNSを利用したことがある」と答えた219人に投稿内容について聞いたところ、「近所の店舗や風景の写真を投稿したことがある」は約5人に1人(23%)、「自分や友人の顔写真を投稿したことがある」は約6人に1人(17%)。
特に男性の方が顔写真を投稿する人の割合が高く、女性が9%であるのに対して、男性では24%という結果でした。
さらに、「インターネット上で何かを買うことがありますか?」という質問には、半数近くの47%が「よくある」と回答しています。
男女別では、「よくある」という男性が51%、女性は43%で、シニア男性がネットショッピングにより積極的だという結果でした。ここにも架空のECサイトで買い物をしてしまい、商品が届かないという詐欺に遭うリスクがあります。
このように、シニアがスマホ利用するにあたってはさまざまな罠が存在するのです。
■進化するフィッシングメール
一昔前のフィッシングメールは、ドメイン名が不審なものだったり、メール本文の日本語が不自然という理由から詐欺だとわかりやすいものが多くありました。
しかし、最近のフィッシングメールには、アンケート調査や募金を装ったメールなど、一見詐欺かどうか区別がつきにくいものもあります。
さらに、ラテラルフィッシング(Lateral Phishing)と言われる脅威もあります。
ラテラルフィッシングとは、企業などの組織に何らかの攻撃をして組織のメールアカウントを乗っ取り、そこからフィッシングメールを送ることです。この場合、正規のアカウント名からメールが届くので、詐欺かどうかを判別することは非常に困難です。
■ネット詐欺に遭わないための基本
では、このような詐欺に引っかからないためにはどうすれば良いのでしょうか。
宛先を確認
通常、企業からのメールでは、個人情報保護の観点から宛先に複数のメールアドレスが表示されることはありません。そのため、宛先部分に自分のメールアドレス以外のものが含まれている場合は詐欺を疑った方が良いでしょう。
URLや添付ファイルはむやみに開かない
メールなどにURLが記載されていたり、添付ファイルがあったりするものをむやみに開けるのは危険です。URLから偽のサイトに飛ばされて個人情報の入力画面になったり、添付ファイルを開くことでウイルスに感染し個人情報を盗まれることもあります。
また、SNSにもこのようなダイレクトメッセージが届き、URLを開くことによりアカウントを乗っ取られたり、悪質サイトに誘導されるケースも考えられます。少しでも「怪しい」と思う場合は、URLや添付ファイルはむやみに開かずに削除しましょう。
コロナ便乗詐欺にも要注意
さらに、最近は新型コロナに便乗したネット詐欺が増えているので注意が必要です。
品薄になっているマスクを無料配布するとか、〇〇円の助成金が受け取れる、困っている人に寄付をなどといって詐欺サイトに誘導したり、金融機関の情報などを聞き出す事例が国民生活センターや厚生労働省から発表されています。
■おわりに
「自分は詐欺に引っかからない」と思っていても、最近の詐欺の手口は巧妙化しており、注意不足だと簡単に詐欺に引っかかってしまいます。心当たりのないメールは特に怪しいと疑い、簡単にURLや添付資料を開いたり、金融機関の情報を打ち込んだりしないようにしましょう。
もし、詐欺なのか判断できない場合は、家族や友人に相談したり、インターネットで調べてからにしたりと、自分だけで焦って判断しないようにすることが大切です。

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