日本には古くから「短気は損気」という言葉がありますよね。これは「すぐに怒る人は結果的に自分が損をする」という意味を表しています。
■その1 「体調不良」
私たちの体にある自律神経は、「交感神経」「副交感神経」と呼ばれる2種類の神経に分けられます。この2つの神経がバランスよく働くことで、自然な眠りが誘発されたり体温調整ができたり、生命維持に欠かせない重要な働きをしています。
しかし、怒りすぎることで自律神経のバランスが乱れやすくなり、慢性化してしまうと体調不良をも引き起こしてしまう場合も。なぜ怒るだけで体調不良になってしまうのかというと、怒りの感情は交感神経を刺激し、活発にしてしまうからです。交感神経の出番が多くなればなるほど副交感神経が劣位の状態が続き、自律神経のバランスが崩れます。「自律神経失調症」にもつながりやすくなり、睡眠障害や各臓器の疾患などのリスクが高まる可能性もあるようです。
■その2 「シワが増える」
感情的に怒りながら穏やかな表情をする人がいないように、怒っているときは眉間や額にシワがよっていることがほとんどではないでしょうか。たまに怒るのであれば問題ありませんが、1日に何回も怒っていると、その表情がクセになり、シワとなってやがて顔に定着してしまいます。シワが増えると怒っていないのに不機嫌そうに見られるだけではなく、実年齢よりも上に見られてしまいがちです。
特に、女性であればシワは大敵!老けて見えるのはもちろん、シワにファンデーションが溜まって化粧も崩れやすくなります。女性だけではなく、今は男性も美容に気を使う人が増えてきましたが、感情的になって怒ってばかりいると、気づかないうちにシワが増えてしまうかも…。
■その3 「人間関係の悪化」
怒ってばかりいる人は、そうでない人に比べると人間関係で苦労しやすいでしょう。なぜなら、イライラして感情的になる人と親しくしたいと思う人は滅多にいないからです。例えば、まだまだ感情コントロールが苦手な子どもがイライラして怒ったとします。そのことによって周りが驚いてしまうこともありますが、大人は「まだ子どもだから仕方ない」という目線で見守ってくれますし、子ども同士では大人が思うよりも気にしていなかった、なんてことはよくあります。
しかし、いい歳をした大人が、まるで子どものように自分の感情を爆発させたらどうでしょうか。多くの人は「大人なのに自分の感情もコントロールできないのか」と、怒っている人に対してマイナスな印象を感じるのはいうまでもありません。こうした状況が続くと、「すぐ怒る人」「自分のことしか考えられない人」「近寄りたくない人」などと思われてしまい、人間関係を悪化させることにもなりかねません。
■怒ってもいいことはない!セルフコントロール術を学ぼう
今回は、怒ることで確実に損することを3つご紹介しました。感情的に怒ることで体調が悪くなり、顔にシワが増えて老けて見られ、人間関係も悪化させてしまう傾向があります。「怒ることがよくないことなのは知っているが、どうしても感情的になってしまう…」という人もいるでしょう。
参考
「自律神経失調症」e-ヘルスネット厚生労働省( https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html )
「ストレス」e-ヘルスネット厚生労働省( https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-031.html )