老後資金の問題が世間を騒がせて久しいですが、とはいえセカンドライフには趣味や旅行を楽しみたいーーそう考える人は少なくないでしょう。



子どもからも仕事からも手が離れた後は夫婦で過ごす時間が多くなりますが、セカンドライフをどう過ごしたいかは、必ずしも夫婦で一致するとは限りません。

定年退職して1日の大半を家で過ごす夫と、夫の世話から解放されて外で楽しみたい妻。こんな構図をイメージする方もいるのではないでしょうか。



ソニー生命保険株式会社は2020年8月に「シニアの生活意識調査」を実施。その結果から、実際に老後を送っているシニアの現在の楽しみを見てみましょう。男女での違いにも注目です。



■現在の楽しみベスト3



同調査では、全国のシニア(50歳~79歳の男女)1,000人を対象としています。まずは、全回答者に「現在の楽しみ」を聞いたところ、上位3つの回答は以下の通りでした。



第3位「読書」

第3位に入ったのは「読書」の29.2%(男性26.2%、女性32.2%)でした。実際、筆者の自宅近くにある図書館では、平日や休日を問わずシニア層の利用が圧倒的に多く感じられます。



現在はコロナ禍で図書館に滞在する時間が制限されてはいますが、館内のソファーに腰をかけて新聞や本などを読んでいるシニアの方をよく見かけます。静かな環境で没頭できるのは、読書好きには至福の時間かもしれません。



第2位「テレビ・ドラマ」

第2位の「テレビ・ドラマ」は34.6%。男女別で見ると、男性27.4%、女性41.8%と女性のほうが14.4ポイント高いという結果でした。韓流ドラマ人気に代表されるように、お気に入りのドラマを楽しみにしている女性シニアも多いようです。



かつて「冬のソナタ」が一世を風靡した当時の「ヨン様」人気は凄まじいものがありましたが、最近では「愛の不時着」が大ヒット。巣ごもり生活が続いているコロナ禍では、自宅で気軽に楽しめる「テレビ・ドラマ」は、女性シニアの楽しみの中で存在感が増しているのかもしれません。



第1位「旅行」

第1位は「旅行」の43.4%(男性43.6%、女性43.2%)で、男女差はほとんどありません。しかし、旅行にかける金額には差があるようです。



妻と過ごしたい夫、子や孫がいい妻。みんなの老後の楽しみは何か

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出所:「シニアの生活意識調査」(ソニー生命保険株式会社)




「旅行」が楽しみだと回答した人(434人)に、1カ月あたりの旅行にかけるお金を聞いたところ、平均額は全体で2.4万円。男性2.1万円、女性2.8万円で、男性より女性の方が7千円ほど高くなっています。男性シニアより女性シニアの方が、旅行に対しては財布の紐が緩みがちのようです。



一方、男性の方がお金を使う項目もあります。第4位に入った「グルメ」では(回答者:287人)、1カ月当たりにかける平均額は全体で1.3万円。男女別だと男性が1.5万円で女性シニアの1.2万円より3千円高いという結果でした。男性はお酒を飲む分、出費が多くなるのかもしれません。



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出所:「シニアの生活意識調査」(ソニー生命保険株式会社)



■旅行は誰と行くかも大事なポイント



夫婦や子供などの家族同士で行く旅行はもちろんですが、気の置けない友達同士の旅行も楽しいものです。



男性の場合は、現役中にゴルフなどで仕事の仲間と出かけることは、そう珍しいことではないかもしれません。

一方、女性は子育てに忙しかったり、それが落ち着いた頃に親の介護が始まったりと、結婚してからはそれぞれの家庭の事情もあり、友達とは疎遠になりがちです。



そう考えると、女性が友達と行く旅行は本当の意味での「セカンドライフの楽しみ」といえるのかもしれません。家族旅行中の観光地で遭遇する女性シニアのグループはアクティブで、どこかしら吹っ切れたパワーを感じさせられるのは、そんな背景があってのことかもしれません。



■夫婦の気持ちに微妙なずれ



同調査のランキングを見ると、総じて男性より女性の方が、セカンドライフを楽しんでいる様子が窺える結果でした。その中で、男性の方が女性より「現在の楽しみ」として回答した人が多いのは、第9位の「パートナー(妻・夫・恋人)」と第10位の「スポーツ」です。



第9位の「パートナー(妻・夫・恋人)」を男女別に見ると、男性21.4%、女性16.2%で、男性の方が5.2ポイント高くなっています。それに対し、ランキング第7位の「子供・孫」では、男性19.6%、女性27.0%で、女性の方が7.4ポイント高いという結果に。



男性の場合、セカンドライフに妻と過ごす時間を楽しみと考えているにもかかわらず、女性の場合は子供や孫と過ごすことが楽しいと思っている様子。この結果からは微妙な気持ちのずれを感じさせられますが、子供や孫を介することで、夫婦のバランスを保つことができるのかもしれません。



■おわりに



長年一緒にいる夫婦であっても、セカンドライフの過ごし方には違いがあるようです。夫婦で旅行やグルメを楽しむことも大切ですが、それぞれが趣味をもって、お互い別々の時間を過ごすことが、セカンドライフを送るシニアの夫婦には、居心地のいい距離感なのかもしれませんね。



参考資料

「シニアの生活意識調査(2020年)( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000192.000003638.html )」(ソニー生命保険株式会社)



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