18歳以下への10万円配布は、自治体任せにせず、政府が一括して実施すべきだ、と筆者(塚崎公義)は考えています。
■18歳以下への10万円配布が迷走
政府は18歳以下の子供に10万円を配ることを決めましたが、これに関しては各方面からの異論も多く、また具体的な実施に際して政府の方針の迷走も見られます。
なぜ対象が生活困窮者ではなく18歳以下の子供なのか、高額所得者の子供は給付が受けられないのに資産家の子供は給付が受けられるのか、5万円は現金で5万円はクーポンにするのはなぜか、といった議論が噴出しているわけですが、本稿ではそれを論じるのは避けて、政府の方針を認めることにしましょう。
自治体がクーポンを配布せずに全額を現金で配布することを認めることにしたり、所得制限を設けないことを認めることにしたり、政府の方針が迷走しているようですが、それについても本稿では触れないことにしましょう。
その上で、本稿が最も問題としているのは、そもそも配布を自治体任せにしていることなのです。
■地方自治が必要な分野と不要な分野がある
地方自治は重要です。地方によって事情が異なるため、保育園を作るべき自治体や老人ホームを作るべき自治体や豪雪対策を優先すべき自治体が、それぞれ自分で判断して最も必要なところに予算を注ぎ込む、といったことが必要だからです。
しかし、子供に10万円を配るということを政府が決めた以上、配布作業を自治体が行う必要はありません。政府が全国一律の説明文書を作成して配布作業を実施すれば良いのです。
政府が18歳以下の子供に対して、住民票の住所宛に「親が高額所得者でないならば、振込先の口座番号を教えてください」という手紙を出せば良いのです。
住民票の情報がマイナンバーと紐づけられていて、オンラインで政府が簡単に閲覧できるようなシステムができていれば簡単な作業でしょう。もしもそうなっていないのであれば、まずそのシステムの構築が必要です。
郵送作業自体は自治体が行なうとしても、自治体ごとにホームページを作ったりクーポンを印刷したり住民に出す手紙の文面を考えたりする必要はありません。ホームページは政府が作り、郵送する文書は政府が作成し、問い合わせ先と返信用封筒の宛名部分だけを自治体が記入して郵送すれば良いのです。
以上は行政事務の効率化という話ですが、自治体間の公平という観点からの問題もあります。全額を現金でもらえる人と半分クーポンで受け取る人が、住んでいる場所によって出てきてしまうからです。もしかすると、所得制限を設けない自治体が出てくる可能性もありそうです。
全額現金で配布するか、半分をクーポンで配布するか、所得制限を設けるべきかといった問題は、様々な考え方があるでしょうが、自治体によってどちらが望ましいかが変わってくることはないでしょう。どちらが望ましいのかは、全国一律で決めれば良いはずです。
■所得制限ではなく高額所得者に10万円課税する方が楽
所得制限を設ける場合、どうやって所得を把握するのかという問題も出てきます。所得を最も正確に把握しているのは税務署でしょうから、税務署にチェックを依頼すれば良いでしょう。
まさか縦割り行政でチェックが頼めないなどということがないことを祈るばかりですが、本来であればマイナンバーと所得情報が紐付いていて、税務署に問い合わせなくても政府の配布事務担当者がチェックできることが望ましいですね。
どうせ税務署の力を借りるのであれば、所得制限をするのではなく、すべての子供に10万円を給付した上で子供を扶養している高額所得者に10万円課税する、という方法もあります。この方が遥かに事務コストは安いはずです。
政府は、住民票を見ながら18歳以下の子供全員に10万円の案内(あるいは10万円の現金封筒)を送付すれば良いわけですし、税務署は子供を扶養している高額所得者から10万円を徴税すれば良いわけです。
高額所得者の子供で扶養されていない人は10万円もらい得ということになるでしょうが、18歳以下で自分で稼いでいる高額所得者の子供は稀だと思います。
また、子供を扶養している高額所得者は税率が高いので、扶養控除の申請をするはずです。したがって、「子供がいるのに扶養控除を申請せずに10万円の課税を免れる」という人も少ないと思います。
余談ですが、新型コロナをめぐって税務署の協力が必要な場面は数多くあったはずです。たとえば給付金詐欺が横行していたようですが、「前年から所得が半減した事業者に補助金を払う」という場合には、「前年から所得が半減した事業者には前年に支払った税金を払い戻す」という制度にすれば、前年の所得を誤魔化すことができなかったはずです。
政府部門が持っている情報は、縦割り行政を避けて政府部門全体で有効に活用しましょう。その際、情報をマイナンバーで紐付けして管理することで行政の効率化を図るべきことも、当然ですね。政府が非効率な方が良い、と主張する人は稀でしょうから(笑)。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
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