■都道府県別で見るくらしの経済学
皆さんは、自家用車をお持ちでしょうか。
コロナ禍以前は、都心では次のような人も多かったのではないでしょうか。
「自動車は維持費がかかるので持っていない」
一方で、地方に行くと、都心とは見方が変わります。
「自動車を持っていないとどこにも行けない」
このように、自動車一つ見ても、そのとらえ方は様々です。
また、最近では自動車メーカーによる電気自動車(EV)の開発が盛んで、またそのラインナップも拡充させつつあります。
駆動プラットフォームが「ガソリン×エンジン」から「電気×モーター」にへと大きく変わる自動車ですが、そもそも現在どの程度保有しているのかという点は気になります。
では、それぞれの都道府県では、自家用車はどれくらい普及しているのでしょうか。
今回は、2021年に発表された一般社団法人・自動車検査登録情報協会のデータをもとに、東京都の世帯当たりの普及台数を見ていきます。
■東京都民の世帯当たり自動車普及台数とは
2021年3月末時点の東京都民の自家用自動車の保有台数は、309万5664台となっています。
一方、世帯数は734万1487世帯あります。
したがって、東京都民の世帯当たりで見る、自家用乗用車の世帯当たり普及台数は以下の通りとなります。
309万5664台÷734万1487世帯=0.422台
このように、東京都の世帯当たりの普及台数は、なんと0.5台にも達しません。
2世帯に1世帯ももっていなということになります。
では、全国の平均値はどの程度の水準なのでしょうか。
■全国平均の世帯当たりの自家用車普及台数は何台か
先ほどの資料を参照にして全国の世帯当たり普及台数を見ていきましょう。
全国の普及台数は6170万3226台で、全世帯数は5949万7356世帯となっています。
したがって、全国で見る世帯当たりの普及台数は以下の通りです。
6170万3226台÷5949万7356世帯=1.037台
このように、全国平均では、東京都の2倍以上あります。
■自家用乗用車の世帯当たり普及台数は右肩下がり
実は全国における自家用乗用車の普及台数は伸び続けています。
2021年3月末には、普及台数は6170万台にも達し、過去最高の水準となっています。
出所:一般社団法人・自動車検査登録情報協会

しかし、その一方で、高齢化や核家族化も相まって、世帯数も同様に増え続けています。
世帯数は5949万世帯にも達しています。
その結果、世帯当たりの普及台数は右肩下がりとなっており、先ほど見たように世帯当たりの普及台数はほぼ1台程度となっています。
出所:一般社団法人・自動車検査登録情報協会

■まとめにかえて
国内の自家用乗用車の普及台数は6000万台にも達しているということがわかりました。
最近の消費者の車への反応を見ていると、「保有台数は減少しているのでは?」と考えた方も多かったかもしれません。
今後、駆動プラットフォームが「ガソリン×エンジン」から「電気×モーター」に代わっていくということもありますが、ここまで普及した自動車がどのようにリプレースされていくかからは目が離せません。
都道府県ごとに移動および交通インフラの整備度は異なるでしょうから、今後はその普及に地域差が出てくるということもあるでしょう。
■参考資料
- 一般社団法人・自動車検査登録情報協会「ニュースリリース」(2021年8月31日)( https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000vbzq-att/kenbetsu2021.pdf )