株式市場では、常に多くの企業の株価が変動しています。
株価が大きく動いた時、その原因を調べると、今後の投資に活用できるヒントが得られることがあります。
今回は、商船三井(9104)を取り上げます。
商船三井の株価は上昇し、実に13年超ぶりの高値をつけました。
では、なぜその上昇が起こったのか、背景を解説していきます。
■商船三井の株価が13年ぶりの高値まで上昇
商船三井の株価は、2022年3月1日の終値で9920円でした。
2021年12月30日(大納会)の終値である8540円と比べると16.2%の上昇となり、1年前の2021年3月1日の終値である3340円と比べると、2.6倍となります。
過去をさかのぼると、この現在の株価は2008年の夏以来、実に13年ぶりの高値となりました。
■バルチック海運指数も13年ぶりの高水準に到達
ではなぜ、この上昇は起こったのでしょうか。
ひとつ要因として考えられるのは、海運会社の業績を占うとされる「バルチック海運指数」の上昇です。
バルチック海運指数とは、英バルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数です。
平たく言ってしまえば、海運会社にとっての「単価」の変動を表すものです。

出所:The Baltic Exchange
この指数は、2021年9月に13年超ぶりの高水準をマークしました。
つまり、「運賃指数が13年ぶりの高水準となったため、収益拡大への期待から、商船三井の株価も同様に大きく上昇した」と言えるのではないでしょうか。
近年、各国の経済活動が徐々に盛り返す中、中国を中心に資源需要も回復しつつあります。
こうしたことを背景に、海運サービスの受給もひっ迫したのかもしれません。
■まとめにかえて
株価が上昇した商船三井。
ただ、バルチック海運指数は2022年に入って上昇幅を吐き出す動きを見せました。
今後も注目です。
■参考資料
- 株式会社商船三井 IR情報( https://www.mol.co.jp/ir/index.html )
- The Baltic Exchange "Market Information"( https://www.balticexchange.com/en/data-services/market-information0/dry-services.html )