新年度がスタートしました。
新しい生活になった方もこれまで通りの方も、自分自身のキャリアについて考えやすい時期だといえます。
「年収600万円」といえば、転職での目標とされることも多いですね。日本の平均年収は433万円なので、「平均より少し高め」だともいえます。
そんな「年収600万円」の方は、日本に何割くらいいるのでしょうか。
家族パターンごとの生活レベルや、達成できる年齢についても見ていきます。
■「年収600万円台」の割合は日本で6.5%だけ
日本における年収ごとの割合を知るには、国税庁の「令和2年分(2020年)民間給与実態統計調査」が参考になります。
年収階級ごとに人数や全体の割合を確認していきましょう。

出典:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
■全体:5244.6万人
- 100万円以下:442万人(8.4%)
- 100万円超200万円以下:722.6万人(13.8%)
- 200万円超300万円以下:814.2万人(15.5%)
- 300万円超400万円以下:913万人(17.4%)
- 400万円超500万円以下:764.3万人(14.6%)
- 500万円超600万円以下:536.6万人(10.2%)
- 600万円超700万円以下:339.5万人(6.5%)
- 700万円超800万円以下:231.3万人(4.4%)
- 800万円超900万円以下:145.3万人(2.8%)
- 900万円超1000万円以下:95.2万人(1.8%)
- 1000万円超:240.6万人(4.6%)
■男性:3076.7万人
- 100万円以下:112.2万人(3.6%)
- 100万円超200万円以下:214.4万人(7.0%)
- 200万円超300万円以下:352.5万人(11.5%)
- 300万円超400万円以下:538.1万人(17.5%)
- 400万円超500万円以下:531.1万人(17.3%)
- 500万円超600万円以下:413.8万人(13.4%)
- 600万円超700万円以下:282.1万人(9.2%)
- 700万円超800万円以下:199.4万人(6.5%)
- 800万円超900万円以下:127.6万人(4.1%)
- 900万円超1000万円以下:86万3千人(2.8%)
- 1000万円超:216.9万人(7.1%)
■女性:2167.9万人
- 100万円以下:329.8万人(15.2%)
- 100万円超200万円以下:508.1万人(23.4%)
- 200万円超300万円以下:461.7万人(21.3%)
- 300万円超400万円以下:374.9万人(17.3%)
- 400万円超500万円以下:231.2万人(10.7%)
- 500万円超600万円以下:122.8万人(5.7%)
- 600万円超700万円以下:57.4万人(2.6%)
- 700万円超800万円以下:31.9万人(1.5%)
- 800万円超900万円以下:17.6万人(0.8%)
- 900万円超1000万円以下:8.9万人(0.4%)
- 1000万円超:23.7万人(1.1%)
全体で確認すると、年収600万円台の割合は全体の6.5%です。
ただし男女別で確認すると、男性は9.2%、女性は2.6%となっていますね。
■年収600万円の手取りから考える生活レベル
では年収が600万円の場合、その暮らしぶりはどのようになるのでしょうか。まずは国税庁の「第3表 給与階級別の総括表」より、年収600万円台の手取り金額をおおまかに計算しましょう。
- 平均年齢:46.6歳
- 平均勤続年数:17.7年
- 平均給料・手当:524万円
- 平均賞与:122万8000円
- 平均給与(年収):646万8000円
賞与を除く給与を月額にすると、額面で約43.6万円です。ここから社会保険料や税金等を差し引くと、おおよそ33万円ほどであると考えられます。
※所得には各種控除できる項目があるので、扶養家族等によって左右されます。
手取りで33万円と考えると、ある程度の暮らしはできると考える方も多いのではないでしょうか。
家族形態ごとに2パターンを想定してみます。
■1.40代夫婦2人世帯で地方都市の賃貸に暮らす場合
- 家賃:8万円
- 食費:5万円
- 光熱費:1.5万円
- 日用品費:1万円
- 通信費:2万円
- 小遣い・趣味:5万円
- 医療費や保険:2万円
合計24.5万円で8.5万円を貯蓄に回せます。こちらにボーナスも加わるので、ある程度余裕のある暮らしも可能でしょう。
■2.40代夫婦+子ども1人で東京の賃貸に暮らす場合
- 家賃:12万円
- 食費:7万円
- 光熱費:2万円
- 子ども費含む雑費:3万円
- 通信費:2万円
- 小遣い・趣味:2万円
- 医療費や保険:2万円
- 教育費:2万円
合計32万円となり、ボーナスから補填する可能性が出てきます。
実際に都内でファミリー向けの賃貸を探すと12万円に収めることは難しく、それ以上の住居費を支出する家庭もめずらしくありません。
また居住地によっては車が必須となり、維持費が上乗せで必要になることも考えられますね。
家族構成や居住地に大きく左右されることがわかります。
■年齢別にみる「年収600万円」の壁
最後に国税庁の同資料から、年齢別の平均給与も確認します。平均が「600万円」を超えるのは何歳以上になっているのでしょうか。

出典:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
■男性
男性の平均年収では40~44歳が571万円ですが、それ以降で600万円を超えることがわかります。
- 45~49歳:621万円
- 50~54歳:656万円
- 55~59歳:668万円
- 60~64歳:521万円
これ以降は減少していきます。
■女性
女性の場合、どの年代でも平均年収が600万円を超えることがありません。最高が45~49歳の321万円。25~59歳までどの年代でも平均は300万円台です。
女性で「年収600万円」を超える人は6.4%という現状からも、女性にとって「年収600万円」が高い壁であることがわかります。
■まとめにかえて
年収600万円世帯の割合や生活レベル、また目安となる年齢についてまとめてみました。
公的な資料による平均の数字であるため、実際には家族構成や居住地等で異なるでしょう。
仕事選びの一つに年収を掲げる場合、ライフスタイルによって目標年収も変わるということです。
仕事選びはお金だけではなく内容ややりがいも大切ですが、お金も無視できませんよね。さまざまな角度から仕事について考えてみることをおすすめします。
■参考資料
- 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm )