ライフプランの選択肢として今、早期リタイアを叶える「FIRE」というスタイルが注目を集めています。



コロナ禍によって自分の生活スタイルや価値観を見直し、「早期に引退してもっと人生を楽しみたい」と考えるようになった方も多いのではないでしょうか。



そんなFIREを狙う方向けに、コロナ禍における富裕層を対象にしたアンケートから見えてくる、富裕層の資産運用・資産管理と投資への考え方をご紹介します。



■1. 富裕層はFIREについてどう考えている?



昨今注目を集めて居る「FIRE」。



FIREについて、富裕層はどう考えているのでしょうか?



■1.1 FIREとは



FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもの。



経済的な自立を実現させて、仕事を早期にリタイアすることを意味します。



■1.2 コロナの影響でFIREを希望する富裕層は4割



富裕層にもコロナの影響で新たな考え方が浸透しています。



大手金融グループのUBSウェルス・マネジメントが世界の富裕層に実施したアンケート調査によると、「新型コロナによって、何が最も大切かあらためて評価し直した」と回答した人は79%。



私生活に関しては、68%がパンデミックによって人生の目的を見つけ、「世界により良い変化を与えたい」と思うようになったと回答。



仕事面では、10人に4人が「もっと意義のある仕事を見つける」か、「引退して人生を楽しみたい」と考えるようになったと回答しています。



大半の富裕層にとってコロナの経験は、人生の優先順位を見直す、そして人生と仕事の意味を探るきっかけとなったようです。



【投資FIREを狙う】富裕層に学ぶ、ウィズコロナの資産運用・管理と投資の考え方

出所:UBSウェルス・マネジメント



■2. コロナで変わった富裕層の資産運用・管理



また、コロナ禍で個人資産の管理・運用の考え方が変わったという富裕層も多くいることが、野村総合研究所が行った調査「NRI富裕層アンケート調査」から分かっています。



同調査によると、個人資産の管理・運用の考え方において以下のような変化があったと回答しています。



  • 複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった:50%
  • 元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった:46%
  • 経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった:47%
  • 自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた:46%
  • 資産の管理・運用に関するアドバイスをしてもらえる信頼できる専門家が必要だと思った:42%
  • 分散投資やポートフォリオ管理に対する意識が高まった:31%

このように、相場の急変に対して専門家のアドバイスを含む多様な情報を集めて、資産運用の意思決定をするという考え方が強まっています。



【投資FIREを狙う】富裕層に学ぶ、ウィズコロナの資産運用・管理と投資の考え方

出所:野村総合研究所



■3. 消費や生活も大きく変化し富裕層の3分の2は健康意識が高まる



資産の管理・運用に対する考え方だけでなく、消費や生活も大きく変化しています。



約3分の2の富裕層が「健康や体力増進に関する意識が強まった」と回答。



また、「家族との会話やコミュニケーションが増えた」(51%)、「ソーシャルディスタンスを意識した旅行をするようになった」(47%)、「本を読む時間が増えた」(47%)と、約半数が時間の使い方や旅行の形態が変わったと回答しています。



一方、消費行動の変化については「高額な商品やサービスの利用を控えるようになった」(39%)、「フードデリバリーサービスやケータリングの利用が増えた」(21%)となっています。



■4. 富裕層はサステナブル投資に注目



投資に関する動きは、コロナ危機を受けて「サステナブル投資(※)」により強い関心が集まっています。



先述のUBSウェルス・マネジメントが世界の富裕層に実施した調査によると、90%もの投資家が、「パンデミックによって投資と価値観の方向性を一致させたいと考えるようになった」と述べており、また、投資家10人のうち6人が、「パンデミック前よりもサステナブル投資への関心が高まった」と回答しています。



※サステナブル投資とは:経済・環境・社会の持続性に配慮した投資手法のこと。



【投資FIREを狙う】富裕層に学ぶ、ウィズコロナの資産運用・管理と投資の考え方

出所:UBSウェルス・マネジメント



■5. まとめにかえて



いかがでしたでしょうか。



コロナ危機というのは、富裕層にとってもインパクトの大きいものであったことがうかがえます。



そんな中でも柔軟に価値観の刷新をし、対策を見出している富裕層から学べることは多いと思います。



「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をする」「資産の管理・運用に関するアドバイスができる専門家を探す」「消費行動を見直す」といった取り掛かりやすいところから始めてみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  •  UBSウェルス・マネジメント富裕層意識調査レポート「Investor Watch 新たな価値観 - 最近の投資家の目的:経験、つながり、他者への支援に資金を投じる」( https://www.ubs.com/jp/ja/wealth-management/our-approach/investor-watch/2021/the-new-valuables.html )
  •  NRI「富裕層アンケート調査」(2020年)( https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1 )
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