■60~69歳の貯蓄事情を探る
「セカンドライフをどう過ごしたいか」は人それぞれ。
趣味や旅行でゆったりとした時間を過ごしたい方もいれば、生涯現役で働きたい方もいるでしょう。
最近では老後資金や相次ぐ値上げにより、「仕事を辞めたくても辞められない」方もいるのではないでしょうか。
60歳以降の仕事に大きく関わってくる「貯蓄」。
2019年には「年金以外に2000万円が必要」と話題にもなりましたが、実際に貯蓄を2000~3000万円保有している60歳はどれくらいいるのかを見ていきます。
あわせて、何歳まで働きたい人が多いのかも見ていきましょう。
■60歳代「貯蓄2000~3000万円」を保有する割合【夫婦世帯】
60代の貯蓄について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」を参考に確認しましょう。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
■60代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
■貯蓄分布
- 金融資産非保有:19.0%
- 100万円未満:6.4%
- 100~200万円未満:4.8%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:5.9%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.4%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:9.6%
- 3000万円以上:22.8%
- 無回答:2.6%
60代の貯蓄は平均で2427万円ですが、こちらは一部の富裕層に引っ張られています。
より実態に近い中央値は810万円。老後2000万円の半分以下となりました。
「2000~3000万円未満」保有しているのは約1割。2000万円以上で見ると約3割です。
では、単身世帯ではどうでしょうか。
■60歳代「貯蓄2000~3000万円」を保有する割合【単身世帯】
次に、単身世帯の貯蓄を見ていきます。
■60代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
■60代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:1860万円
- 中央値:460万円
■貯蓄分布
- 金融資産非保有:28.8%
- 100万円未満:8.8%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:2.3%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:2.1%
- 500~700万円未満:5.6%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:6.5%
- 1500~2000万円未満:4.2%
- 2000~3000万円未満:8.4%
- 3000万円以上:17.7%
- 無回答:2.9%
単身世帯になると平均は1860万円、中央値は460万円まで下がります。
分布を見ると「2000~3000万円未満」は8.4%。2000万円以上でみると4人に1人です。
ただ、二人以上世帯で約2割、単身世帯で約3割が貯蓄ゼロという事実もあります。年金生活入り、いずれ病気や介護の可能性もあるかもしれないと考えると、60代でも働きたいと考える方は多いでしょう。
■働く還暦人「65歳以降まで働きたい」が8割
働くシニアは増えていますが、何歳まで働こうと考える方が多いのでしょうか。
PGF生命が今年還暦を迎える1962年生まれの男女2000名に行った「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」より見ていきます。(調査期間2022年4月7日(木)~11日(月))。
59歳時点で就労をしている・していた人(1435名)に「60歳以降、何歳まで働きたいか」について聞くと、「65歳以降も働きたいと思う人(65歳以降の年齢を回答した人)」の割合は79.0%。
出典:PGF生命「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
「70歳以降も働きたいと思う人(70歳以降の年齢を回答した人)」の割合は36.5%にもなりました。
平均で見ると「67.2歳」まで働きたいという結果に。
一般的に年金の受給開始がはじまるのは65歳からですが、それを上回る結果となりましたね。
同調査によれば、還暦以降(60歳以降)の人生で不安に思うことを聞いたところ、1位は「収入の減少(60歳以降の雇用形態の変更など)」(52.2%)でした。
定年を迎えたり、雇用形態が変わることにより、収入への不安を抱える方は多いようです。
2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法。これにより、対象となる事業者は「65歳までの雇用確保の義務」と「70歳までの就業機会の確保の努力義務」が課されます。
これからは60代でも働くのが当たり前の時代になるでしょう。
■「働き続ける」以外の選択肢でリスクを補い合う
仕事をすることによる収入は安心感がありますが、一方でいつまで誰しも働き続けられるかは分かりません。
自分で働く以外の収入もあると心強いでしょう。
働かないで得られる収入といえば「不労所得」と言われるもので、株式や債券、投資信託、不動産投資といった資産運用や、ブログや動画配信などもあります。
いずれも知識は必要ですし、リスクはあります。きちんと情報収集をして、自分に合ったものを選ぶ必要があるでしょう。
ただ、「リスク」については改めて考え直したいところ。仕事であっても「病気やケガで働けなくなるリスク」はあるものです。
それぞれどのようなリスクがあるか洗い出し、そのリスクを補えるような仕組みを労働所得と不労所得で作れるといいですね。
老後に向けた労働所得・不労所得について考えてみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/21bunruif001.html )
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)各種分類別データ」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/21bunruit001.html )
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」( https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2021.pdf )
- PGF生命「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」( https://www.pgf-life.co.jp/company/research/2022/001.html#m08 )
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法 改正の概要」( https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000694689.pdf )

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