コンパニオンプランツとは、一緒に植えると互いによい作用を与え合い、助け合う植物のこと。
コンパニオンプランツを混植することで野菜の生育がよくなったり、病害虫を防いでくれたり、様々な効果が期待できます。
今回はコンパニオンプランツを植えるメリット、コンパニオンプランツと夏野菜のオススメの組み合わせ例も紹介します。
■コンパニオンプランツを植えるメリットは?
■病害虫を予防する
虫が匂いに敏感であることは、よく知られています。虫が嫌がる香りや成分を含む植物は意外とたくさんあり、除虫菊や蚊連草などがその最たる例です。

シロバナムシヨケギクの別名は「除虫菊」(Orest lyzhechka/Shutterstock.com)
多くのコンパニオンプランツはその独特の香りで、害虫を植物や野菜から遠ざけます。特に香りの強いシソ科やセリ科、キク科の植物は、コンパニオンプランツとしてよく混植されます。
ネギ科のコンパニオンプランツは、根に共生する菌の効果により、植物の病気を減らす効果も。土壌に多様な植物が育つことで、特定の病原菌が蔓延するのを防ぐ効果も期待できます。
■野菜の成長を促進し、必要な養分を補う

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コンパニオンプランツは野菜と混植することで、互いによい影響を与え合っています。お互いに必要な養分を補う働きもあるので、肥料のような役割も果たしています。
生長が促進されると、収穫量が増えるだけでなく、野菜の味もよくなることが期待できます。
混植により土中の生物相が多様になるので微生物が活性化し、土も野菜が育ちやすい土壌へと変化します。この点も生長促進に繋がるポイントといえるでしょう。
■コンパニオンプランツと夏野菜、オススメの組み合わせ例を紹介
■トマト

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- 苗の植え付け適期:4月~6月頃
- おすすめのコンパニオンプランツ:バジル、パセリ、ニラ、ネギ類、シソなど
葉ネギやニラなどのネギ類を植えると、ネギ類の根に共生する菌の働きによって病気を防ぐ効果があります。
トマトのコンパニオンプランツにはバジルもおすすめ。水を好むバジルが土中の水分量をうまく調整して、トマトのうまみが増す効果が期待できます。
■キュウリ

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- 種まき適期:6月~7月上旬
- おすすめのコンパニオンプランツ:バジル、トウモロコシ、ネギ類、オレガノ、マリーゴールドなど
キュウリは育てやすい野菜ですが、強風のダメージを受けやすい性質があります。
そのため、背が高く成長するトウモロコシをコンパニオンプランツとして植え、風よけとして利用する方法も。キュウリには支柱も立てましょう。
また、葉ネギやニラなどのネギ類も病気予防に役立ちます。オレガノはキュウリの風味を豊かにしてくれる効果も。
■オクラ
- 苗の植え付け適期:5月~7月頃
- おすすめのコンパニオンプランツ:バジル、ニラ、マリーゴールド、エダマメなど
オクラはアブラムシの被害に遭いやすい野菜。バジルを一緒に植えると、アブラムシを集めるバンカープランツ(おとり作物)の働きをして、アブラムシからの害を防いでくれる役割を果たします。
オクラとバジルは交互に植えるとよいでしょう。
■ニンジン
- 種まきの適期:4月~8月頃
- おすすめのコンパニオンプランツ:エダマメ、コマツナ、ラディッシュ、チャイブ、ネギ類など
ニンジンと一緒に植えられるコンパニオンプランツは種類も豊富。
夏野菜のエダマメはポット苗で出回っていたら、今の時期でも植えられます。それぞれ害虫を寄せ付けにくくする作用があり、お互いの生長を促進してくれます。
■ホウレンソウ
- 苗の植え付け適期:4月~10月頃
- おすすめのコンパニオンプランツ:ネギ類、キュウリ、ピーマン、ボリジなど
葉ネギはコンパニオンプランツとして混植することで、ネギの根に共生する菌が病気を抑えてくれます。ホウレンソウのえぐみを軽減する効果も期待できるでしょう。
■まとめにかえて
畑やプランターの空きスペースをムダなく使えるのも、コンパニオンプランツを植えるメリットのひとつ。
殺虫剤のように劇的な効果は現れませんが、多様な生物を混植することで土壌が豊かになる効果が期待できます。
とはいえ、野菜によっては相性が悪く、お互いに悪影響を及ぼすような組み合わせもあります。コンパニオンプランツを植えるときは相性を調べるのも忘れないでくださいね。