■70~79歳のひとり暮らしはこの30年間でどれくらい増えたのか



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「人生100年時代」と言われる現代。



60代であれば仕事を続ける方も多く、また年金生活に入っても節約に励むなどして資産寿命を守る工夫をされる方も多いでしょう。



ただ70代になると仕事を辞める方も多く、「年金だけで生活できない」「貯蓄はもつだろうか」と不安に感じる方も少なくありません。



特に女性は70代になるとひとり暮らしになる方も増えます。



今回は70代の単身世帯数を見ながら、単身世帯の貯蓄や年金などを見ていきましょう。



■70歳代「ひとり暮らし」世帯数は30年でどれくらい増えたか



内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」より、70歳代の単独世帯数について、1980年と2020年を比較しましょう。



70歳代「ひとり暮らし」貯蓄・年金の平均額と単身世帯数はどれくらい?

出典:内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」



上記によれば、70~79歳男性の単独世帯数は、1980年の9万8000世帯から2020年には106万9000世帯に大きく増加しています。



70~79歳女性の場合、1980年には34万世帯でしたが、2020年には182万3000世帯にも増えています。



2020年の単独世帯の理由をみると、60代に比べると死別が大きく増えています。



80歳以上では2020年で男性は54万8000世帯、女性は194万5000世帯とさらに増えます。



同調査より、ここ30年の家族の姿の変化も確認しましょう。



70歳代「ひとり暮らし」貯蓄・年金の平均額と単身世帯数はどれくらい?

出典:内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」



1980年には「夫婦と子ども」が42.1%、「3世代等」が19.9%、「単独」が19.8%でした。



しかし2020年には「単独」が38.0%、「夫婦と子ども」が25.0%、「夫婦のみ」が20.0%に。



「3世代等」は7.7%まで減り、今では珍しい家族の姿となりました。

老後ひとりになる可能性は早くから考えておきたいところです。



■70歳代で「ひとり暮らし」国民年金と厚生年金の平均額はいくらか



老後生活の柱となるのは公的年金です。



今の70代は平均でどれくらい年金を受け取っているのでしょうか。



厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70代の平均的な国民年金と厚生年金の受給額は以下の通り。



70歳代「ひとり暮らし」貯蓄・年金の平均額と単身世帯数はどれくらい?

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」



■国民年金の平均年金月額



  • 70歳:5万7234円
  • 71歳:5万7153円
  • 72歳:5万7066円
  • 73歳:5万6874円
  • 74歳:5万6675円
  • 75歳:5万6235円
  • 76歳:5万6204円
  • 77歳:5万5881円
  • 78歳:5万5651円
  • 79歳:5万5525円

■厚生年金(第1号)の平均年金月額



  • 70歳:14万3775円
  • 71歳:14万7105円
  • 72歳:14万6331円
  • 73歳:14万5724円
  • 74歳:14万5467円
  • 75歳:14万7519円
  • 76歳:14万8172円
  • 77歳:14万9924円
  • 78歳:15万2159円
  • 79歳:15万4467円

※国民年金の金額を含む



国民年金で5万円台、厚生年金で14~15万円台でした。ひとり分の公的年金で生活するのは、特に国民年金では厳しいでしょう。



配偶者が亡くなった場合には、「遺族年金」を受け取ることができます。



受け取れる遺族年金は、亡くなった方の加入していた年金によって「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」のいずれか、もしくは両方が給付されます。



  • 遺族基礎年金:夫が国民年金の場合に受給できる。対象は子どものいる配偶者や子ども。
  • 遺族厚生年金:夫が厚生年金の場合受給できる。対象は配偶者や子ども、父母、孫、祖父母。

上記の「子ども」には「18歳になる年度末までの子ども」や「一定の障害がある20歳未満の子ども」などの条件があります。そのため、70代でもし夫が亡くなり、夫が国民年金のみに加入していた場合、妻は遺族基礎年金が受け取れない方も多いでしょう。



その他の条件も家庭によってさまざまですので、不安な方は年金事務所等で相談されると良いでしょう。



■70代「ひとり暮らし」貯蓄はいくらあるのか



年金で足りない場合、生活費を補うのは貯蓄です。



金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」から、今の70歳以上世帯の貯蓄額を確認しましょう。



70歳代「ひとり暮らし」貯蓄・年金の平均額と単身世帯数はどれくらい?

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成



■70歳以上世帯「金融資産保有額」(※金融資産を保有していない世帯を含む)



  • 平均1786万円
  • 中央値800万円

70代の単身世帯の貯蓄の平均は1786万円でした。ただ平均は一部の富裕層に影響されます。



中央値を見ると800万円まで下がりました。



分布を見ると貯蓄ゼロ世帯が25.1%と、4人に1人にもなります。一方で貯蓄3000万円以上保有している世帯も約2割です。



70代の貯蓄は二極化しているからこそ、早いうちからの備えが重要となるでしょう。



■「ひとりの70代」年金・貯蓄に早くから備えるために



70代の年金や貯蓄の平均を見てきましたが、実際には個人差が大きくなります。



貯蓄を見て二極化していたようすからも分かる通り、70代の生活は現役時代からの備えによって左右されるでしょう。



年金に不安を感じる方も多いですが、老後生活の柱は公的年金です。一方で少子高齢化の今、公的年金だけでは生活できない可能性が高いので、個人年金保険やiDeCoといった私的年金の備えがあると安心です。



貯蓄については、値上げが相次ぐ今「老後に備えるどころか今の生活が大変」と感じる方も多いと思います。ただ老後に必要となる資金は大きいからこそ、早いうちからコツコツ備えておきたいところ。



これを機に家計を改めて見て、固定費の見直しなどをおこない、先取り貯金などを利用して少額でも毎月貯蓄する習慣を作ってみてはいかがでしょうか。



生活費の3~6カ月分の貯蓄が貯まれば、一部で運用をおこなうのも良いでしょう。



固定費をなるべく抑えて、私的年金や資産運用、そして仕事を長く続けること。いくつもの方法で、ひとりの老後に備えていきましょう。



■参考資料



  • 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果」各種分類別データ( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/21bunruit001.html )
  • 内閣府「男女共同参画白書 令和4年版 特集編 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」( https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/pdf/r04_tokusyu.pdf )
  • 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)( https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf )
  • 日本年金機構「遺族年金ガイド 令和4年度版」( https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03-3.pdf )
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